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ノート晒し 11ページ目

「おい。起きろ、管理人」

「ふぁ~、眠いのに……一体、何の用事? 俺の眠りをさまたげないでくれ」

管理人はあくびをしながら言った。背伸びしながら、首をコキコキとならす。ライドはため息をついた。

「ここを使いたいんだよ。見てわからないのか」

「あっそう。ふーん。で、パスポートは?」

ライドは自分のパスポートを見せた。

「こいつらは?」

とロープに縛られた彼らを指さす。

「そちらでなんとかできないか?」

そういうと管理人は

「またイリンダの姉貴に怒られますよ」

「あぁ、たぶんな。でもお前こそ、いつかだれかに怒られるさ。さてマナちゃん行くとするか。管理人用意はいいか」

と言ってマナとロープに縛られた彼らをストーンヘンジの真ん中に連れてきた。

「えーっと、全員で十七名か。多いな。これ団体旅行?」

「ちがう!お前そろそろ老眼鏡でも買っといたほうがいいぞ。こっちが迷惑する」

ライドが言い返す。

「そうだな。老後のために買っといてやる。だが請求書はお前あてにしとく。あばよ、3・2・1・ワープ!」

ライドが「おい!」と言い終わらないうちにまわりの景色が変わった。どこかの建物の中らしい。床一面大理石で出来ている。

「ご利用ありがとうございました。右の通路が出口でございます」

どこからか女性の声がひびきわたった。右の通路から外に出ると広大な草原が広がっていた。そしてその中に一本の細い道があった。

「ティラストさ。僕たちが住んでいる世界。君らの世界だと異世界と呼んでいるんじゃないかな。ただ地球とティラストは同じ場所に存在する。空間が重なっているんだ。ティラストと地球は同じ場所にはあるけど、空間の割れ目を通ってこないと来れない。あのストーンヘンジもその割れ目の一つ」

「頭痛くなりそ……」

「そんなに難しく考えるなよ。第一、僕だってよく分からないんだから」

ライドはそういって少し笑った。

「さて移動するか。マナちゃん、つかまって」

ライドはまた同じようにブツブツといった。たぶん呪文じゃないかとマナは思った。またあの突風がくる。


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