ノート晒し 10ページ目
「眠い」
まだ睡眠薬が効いてる。効き目長持ちだなとマナは思う。
「もう昼すぎだと思うけど」
「いやそういうことじゃなくて」とマナがいおうとした時、ライドの手がマナの頭にポンと置かれた。その瞬間眠気がスーっと消えた。
「起きた?」
ライドが手を放し、いう。
「少なくとも頭はすっきりした」
といってマナは立ち上がった。そしてじーっとライドを見る。この人やっぱり魔法使い?
「そういえばマナちゃん。これでわかっただろう。君は本当に狙われているって。ぼくの国へきてくれるか」
ライドがいう。やはり行かなくてはならないだろうか
「私は母も父も失った。それに友達もずーっと前からいなかった。もうここに心残りなんてない」
そう答えたマナにライドは
「そうか」
とそれだけいった。気まずい沈黙をやぶったのはライドだった。
「さて。少しぼくにつかまってくれないか」
マナはいわれるまま動いた。
「もう一度聞くが、本当に心残りなことはないんだな」
こくっとうなずく。
「じゃ、いくか」
そういったあと、ライドが何かぶつぶつ言っているのが聞えた。だが内容は聞きとれない。そしてそのうちものすごい突風がきて風の音しか聞こえなくなった。目があけられない。
少しずつ風がおさまってく。
「もう大丈夫だぞ」
といわれ、マナは少しずつ目を開けた。そして目の前にあったのは写真でしか見たことがないアレ。
そう、ストーンヘンジだ。
「ど、どうしてここに私が?」
「ちょっと移動した。ほらあの中に入って」
「えっちょっと」
といいながら二人とロープでつながれた十五人は中に入っていく。中には一人の男がそこにある机に顔をふせて、居眠りしている。外からじゃ見えなかったのに……。