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護り人を選んでください。

「じゃあ名前も分かったところで護り人を一人選ぼうか」



アルフの言葉に目が点になりました。



「…は?……え?」



いきなり何言ってんのこの王子様は。

護り人って何?まぁ、響きからさ、護衛を選べってことは分かるよ。分かるけど一人選べってことはずっとその人と一緒ってこと?ちゃんと内容を知りたいし何より名前しかまだ知りませんけど!

それだけで一人選べとか!!もっとお互いを知ろうよ!SPとかボディガードのドラマでも信頼関係とか大切だって言ってたよ!?まぁ彼らは仕事ですからすぐに護ってくれますがね!!でも俺達高校生だからね!

ゲームだったらさ、この人にしようかな、なんて選んでその子との愛情レベル集中してあげられたりするけどここ現実ー!!



「わ、私シザー様がいいです!」


「嬉しいよヒメカ。喜んで引き受けよう」



って桃山さーん!?

ここギャルゲー…あ、逆か。えーと何だっけ、まぁいいよとにかく恋愛ゲームじゃないんだよここわー!!

慌てた俺は手を取り合おうとする二人の間に慌てて入りました。



「ちょ、よく考えようよ桃山さん!まだお互いのことよく知らないのに!!」


「うるさい。僕は優秀だからな貴様が選びたかったのも分かる。しかし貴様に選ばれても僕は拒否する。何故なら本物の神子はヒメカだからな」



このクソ王子がぉぉぉ!!でも我慢。シザーはアホの子。うん、俺頑張れ。桃山さんの為だ!

あ、ちなみにこのメンバー内では皆愛称?で呼ぶことになった。俺が分からないのもあるけどこの問題が片付くまでは公平なんだって。その方が迅速だからってアルフが言ってた。



「井上君、私が先に選んだのがいけないのかもしれないけど…でも…」



って桃山さんまでーーー!?

いやいやいや!俺シザーがいいからとは一言も言ってないよ!むしろいらないよ!ここまで人を見下してる人選ぶってどんだけMだよ!

俺が!言ってんのは!もっとお互いを知ってから!って何!?俺がおかしいの??まともなこと言ってない?



「ずるいよ!僕だってコイツよりヒメカの所に行きたいんだから!!選ばれたらどうするのさ!」


「あ、俺はさっきも言ったけど普通に可愛い子がいいからごめんなクー」



クライブはよし!しかしリン!お前はアウト!誰が選ぶか!!

あぁでもそうだよね!普通可愛い子のが皆さんいいですよね!……ならしょうがねぇよな、うん。



「……アルフ、これから別室とれる?」


「あ、あぁ。とれるけど」


「じゃあこうしよう。桃山さんがいいって人はそのまま…まぁ自由にどうぞ。もし俺でも良いかなって欠片でも思ってくれた人は別室でレク…じゃ分からないか。えーともうちょっと話そう。俺のこととかももっと知ってもらいたいし、知りたいこともあるからさ。そんでお互いよかったら護り人だっけ?それを選びたい」



俺の言葉にアルフは頷いてくれて、シザーはそのまま桃山さんの肩を抱いて(滅びろ)、リンは空いた方の手を繋いで(滅びろ)、クライブは俺に手を振った後その背を追っていった(応援します)。



「じゃあ僕達は移動しようか」


「え、二人もいいの?」



コクリと頷く二人に驚く。アルフ以外は桃山さんを選ぶと思ったからだ。



「俺はお前がいい…ちゃんと俺達のことを知ろうとしてくれた…」


「はい。僕もエルトシャン様と同じです」



何ていい子なんだ!

俺は思わず二人の頭を撫でてた。エルトシャンは高いから頬撫でただけだけど。



「僕もいるんだけど」



そこに不機嫌そうに入ってきたのはアルフ。頭を押し付けてきたので反射で撫でたら満足そうにしてたからいいのか?



「というか僕は最初から分かってたの?」


「え、だって王族二人が向こうについたらいくらこのメンバー内で身分関係ないっていったって公平じゃねぇじゃん。アルフはそういうのきちんとしてるタイプだろ」



俺の言葉に苦笑で返すアルフ。綺麗ですはい。



「それにアルフは俺に偽物って最後まで言わなかったもんな?」



そして俺のこの言葉に今度こそ参ったと両手を上げた後、そのまま綺麗な礼を返して手を差し出された。なので笑って俺はその上に手をのせた。




ーーーーーーーーーーー


「んじゃまず召喚された神子のこととそのされた神子にしなくちゃいけない説明をどーぞ」



レクリエーションの前にまず別なことから片付けることにした。や、これもレクリエーションだよな。お互いに知ってること話して信頼出来るわけだし。

各自用意された椅子に座ったのを確認するとアルフが話してくれた。


異世界の神子はそれこそ色々な種族がいたらしい。ちっさかったり耳がとがってたり金髪だとか緑髪やら赤髪やら。ちなみにアルフたちも派手だからその辺は気にしないらしい。黒髪は珍しいみたいだけど過去の神子にもいたって。この世界にもその耳が尖ってるエルフとかちっさいドワーフもいてそれぞれ国もあるんだって。ここはグラバル国っていって人間が一番多いけど別に人間だけって決めてるわけでもなく他の種族もたくさん住んでるそうだ。あ、ちなみに他の世界のエルフが異世界の神子の場合区別つくのか聞いたら額に紋様が描かれてるのが異世界の神子の証拠だそうだ。なんだって!鏡!!桃山さんも俺も前髪で隠れてたからなぁ。



「おぉ…何か複雑な模様が光ってるー」



確かに偽物じゃないね俺。じゃあなんでシザーは偽物なんて言ったんだ?



「過去に複数召喚されたことがないからだよ。でも召喚条件に人数は指定してないからありえないことじゃないんだけどね。初代もありえないことはない。召喚したからにはきちんと責任をって言ってたし…シザーもあんな簡単に物事を判断する子じゃないんだけど…」



シザーはともかく初代すげぇな!!あなたのお陰でその後の異世界の神子は助かっていますありがとうございます!



「あとセルフィア…この世界のことだよ。汚れはセルフィア全体の問題だからどの国でも召喚方法は知らされてるんだ。ただ成功率は低い。だからクーとヒメカには色々な国に行ってもらわなきゃならない。成功したことは各国に通達したからね」



責任も重大なんですね。本当に俺で大丈夫か。



「頑張ります」



ぐっと手を握る俺をエルトシャンが撫でる。

うん、君は無口だけど優しいね。



「あとはね……申し訳ないけど召喚した時に君達には魔法というか契約がされてる」



言葉が分かるように、書けるようになってるそうだ。何それ逆に助かりますけど。というか今まで言葉が通じてること不思議に思いませんでしたー!すいません!!

あとは召喚された時の前後の記憶が曖昧。これは死にそうな所を召喚してるから恐怖で混乱されたら話にならないからだそうだ。でも死にそうだったところを召喚したんですよ!って証明もしなくちゃいけないから曖昧なんだって。あーそういえばトラックに引かれそうだったなーっていうあれね。あとは家族もいないっていう記憶もないと帰りたくなっちゃうから前後のみの記憶操作だそう。そして最後にその帰りたいっていう気持ち、ホームシックにならないようにしてるそうだ。まぁ確かに家族以外にも繋がりあるし、人によってはそれで帰りたい人もいるもんな。

以上異世界の神子には必ず説明してるそうだ。

うむ、とても親切です。ありがとうございます。


そしてこの後は俺の事を話した。平和で争いがなかったこととか。まぁ事件、事故はありますがここみたいに魔物はいないってこと。俺は学生だってこと。3人のことも話した。エルトシャンはエイトって呼ぶことになった。何でも八番目に生まれたそうで家族にはそう呼ばれてるそうだ。竜族は同族で結婚出来ないんだって。んで何代か前に異世界の神子と結婚した竜族がいて、その時数を教えたそうだ。その人地球の人だったんだね。エルトシャンは八番目っていう理由だけでそう呼ばれるのが嫌だったらしい。まぁ神子さんは名前に使われるとは思ってなかったろうしな。でもエイトってかっこよくない?俺の好きなゲームとか漫画でも数字が名前の奴いっぱいいたけどなぁ。実際かっこよかったし。八郎とかじゃなくてよかったと思うけど。っていったらあぁ、お前たちにならいいって思ったからってすげー可愛い顔で言うから皆で撫でた。

ちなみにずっとじゃ休みないし可哀相ということで護り人はローテーションになった。というか3人とも立候補してくれたから出来たことで俺は嬉しかったよ!!

ちなみに護り人はその名の通り俺を護ってくれる人。夜も一緒なんだ。……桃山さん男で大丈夫なのかな?

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