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第4部 第6話【キョウイチへの忠誠】

 【堕天使の会】のリョウゴ・カンザキvsキョウイチによる世紀のフォーラム・ディスカッションが終わって1週間。日本はまた新たな局面をむかえていた。


 


 

 前述したように、フォーラム・ディスカッションにジャッジマンはいない。どちらが正しいかの判断は、すべて日本国民ひとりひとりに託されている。


 


 

 しかし、結果は火を見るより明らか。フォーラム・ディスカッションでのキョウイチの圧倒的な弁舌に日本中がよりいっそう酔いしれ、キョウ様フィーバーは天をも貫かんばかりの興隆となっていた。


 


 

 また、フォーラム・ディスカッション終了後、【堕天使の会】を脱退する信者が続出。彼らは揃ってキョウイチに忠誠を誓い、【ヴァージン・ビート】の一員として生きていくようになっていった。


 


 

 しかもそれは【堕天使の会】の元信者たちに限ったことではなかった。日本中に無数に存在する新興宗教団体の信者たちがのきなみキョウイチに忠誠を誓い出し、教団をたたまざるをえない宗教団体が相次ぐようになっていった。


 


 

 キョウ様フィーバー、ここに極まれり━━。


 


 

 ついには【ロスト・イン・ザ・ダークネス】に睨まれることを恐れていたマスコミもキョウイチに接触するようになり、キョウイチのインタヴューが有名雑誌の一面を飾った。インタヴュアーはキョウイチにいう。


 


 

 「それにしても、有名巨大教団【堕天使の会】のトップ5人を相手に見事な戦いぶりでした」


 


 

 「いや、それほどでも」  


 


 

 「あのフォーラム・ディスカッションに審判などはいませんでしたが、誰がどう見てもキョウ様の圧勝以外のなにものでもありませんでした。いやはや、実に見事です」


 


 

 「それはどうも」


 


 

 「ところでキョウ様、さっとあらわれて、さっとフォーラム・ディスカッションの開催を決定されましたが、そんなに勝算があったんですか?」


 


 

 「勝算というか……まあ、彼らはまるでボキの相手ではない、というのはありましたね」


 


 

 「それはどういうことです?」


 


 

 「彼らがフォーラム・ディスカッション前におこなっていたことは、漠然とした内容のボキのバッシングだけでした。もしも論争になったとしても、せいぜいボキの救世法の揚げ足取りくらいしかできないだろうと思ったんです」


 


 

 「なるほど」


 


 

 「ボキを負かすには、ボキの救世法の揚げ足を取った上に、さらにボキの救世法を上回る救世法を発表し、国民のコンセンサスを得る必要があります。それらをすべて成し遂げて、はじめてボキに勝利したことを意味するんです。【堕天使の会】の人たちにはたいへん失礼ですが、そんな芸当ができるとはとても思えませんでしたから」


 


 

 「なるほど」


 


 

 「万一同点くらいにはなったとしても、ボキが負けるようなことは100%ありえないだろう━━そういう計算のもとにフォーラム・ディスカッション開催を決定したんです」


 


 

 「なるほど、すばらしい、さすがキョウ様です」


 


 

 「【堕天使の会】のリョウゴ・カンザキさんもいいものを持っていたと思いますが、今回ばっかりは相手が悪かったですね。ハハハハハ……」


 


 

 このキョウイチへのインタヴューが掲載された雑誌は爆発的な売れ行きを記録したが、出版社は【ロスト・イン・ザ・ダークネス】によって危険な目にあうことになってしまったという。


 


 

 しかし、出版社はそんなことは百も承知。それでも世紀末の救世主キョウイチに接触し、その特集を組んで発表したいという感情に駆られたのだ。


 


 

 出版業界の意識もキョウイチの登場を機に、大きく変わりはじめようとしていた。 

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