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第十九話 紅は赤よりも赤し

 ここはとある地方都市。一見のどかで平穏な町だが、度々悪の影が忍び寄る。

 悪の権化を排除し、平和を地に取り戻す者。それが、我らがヒーロー。我らがご当地ヒーローなのだ!


「赤鬼恐い……赤鬼恐い……赤鬼恐い……」

 町随一の憩いの場である公園に、うつろな目をしながらブツブツと呟いている男が一人。

 声の主はクラブソルジャー。頭部と左腕は人間のものでありながら、右腕の代わりに巨大なカニのはさみを持つ、悪の組織『ダークグローリア』に属する怪人である。漆黒のマントをなびかせながら、人々を恐怖のどん底に追いやっていたはずだったのだが。

「奇跡だ……今我が、怪我一つなくこの場に立っていることは奇跡に等しい」

 彼が顔面蒼白で震え上がっているのには、事情がある。前回この公園に出没した際、理不尽な展開により 阿修羅から猛攻を受け、一生のトラウマになりかねないレベルの心の傷を負わされたのだ。

 思い出すだけで悪寒がするが、負傷によって身体が不自由になってしまっていたことを忘れて、尋常ならざる速さで駆け回る力を一時的に得てしまうほど、惨烈でおぞましいものであったことだけは間違いない。

「あれはもはや、人知を超えた魑魅魍魎なのではないか? いやいやいや、本当はそれの上を行く……」

「おやおや、怪人さん。今日もお仕事ですか?」

「あ……三蔵さん」

 本日声をかけてきた地域の方は、近所に住むご老人である三蔵であった。

 御年七十歳を迎えるというのに、上下ジャージ姿で毎日ランニング。巷では有名な、元気ハツラツのスーパーおじいさんだ。

「何だか顔色が優れませんが、お身体の具合でも」

「ええ、まあ、ちょっと」

「それはいけない。人間も怪人も、健康が第一ですぞ。いいですか? まずは食生活の改善が肝心です。とりあえず、肉を食べなさい。私は、ステーキを毎日二キロたいらげておりますぞ」

「は、はあ」

 いくらトレーニングで引き締まっているとはいえ、どうやればその華奢な肉体にそれだけの食物が収まるのか。

 疑問に思うクラブソルジャーであるが、尋ねる間もなく話はどんどん先に進む。

「次に大事なのは、運動ですな。腹筋とスクワットを五十回ずつ一セット、それを済ませた後に散歩がてら、こうして外に出るとまあ気持ちのいいこと。そういえば、私の走る道に、ぶち模様の小さな野良猫がおりましてな。私が横を通るたびにミャオと鳴いてこちらを見つめてくるのです。それがまあ、かわいいのなんの。飼ってやりたい気持ちもあるのですが、生憎うちの婆さんが動物アレルギーで、こればかりはどうしようもありませんな。そうそう、婆さんと言えば、最近テレビで時代劇をやる機会が少なくなったことを嘆いておりましてな。確かに昔は、お偉方が身分を隠して悪を討つという勧善懲悪ものが大いに流行りましたが、これも時代の流れというもの。私達も、古くから続くものが終わるのを悲しむよりも、若者が観るような青春劇などというものを積極的に受け入れて新たな発想を吸収していくことも大事だと、個人的に思いますな。ちなみに私は今、月曜日の夜に放送されている……」

 あれ、これ、何の話でしたっけ?

 おとなしく長々とした語りを聞いていたものの、段々と話題が明後日の方向へと飛んでいき、会話の趣旨すら曖昧になってしまう。

 当のご老人は非常に満足そうにしているが、いつまで続けるつもりなのだろうか。

「あの、三蔵さん。そろそろランニングの方に戻られてはいかがですか? 時間の方が」

「おお、そうですな。このままだと日が暮れて、腕立てとバーベル上げをする時間がなくなってしまいますな。あ、そうそう。日が暮れると言えば、三十年前に婆さんと海で見た夕日が何とも美しくて。今でも脳裏に」

「戻りましょう、ランニングに」

「おお、そうでしたな。ではまたそのうち、ジジイの戯言に付き合って下され」

「は、はあ」

 ペコリと頭を下げると、三蔵は颯爽とした走りでいずこへと去っていった。

「ふう、人間というのはいくら話しても話題が尽きない生き物なのだな。我も薫子殿とならば、いつまでも楽しく語らっていられそうだが……はっ! あ、悪の怪人である我が、一体何を血迷ったことを」

「そこまでだ、怪人!」

「むうっ!」

 どこからともなく、高らかな声が飛んでくる。

 クラブソルジャーが振り向くと、そこには逆光に照らされたいくつかの影が差し込んでいた。

「き、来たか。またいつものように、例の段取りを」

「だあっ! じれったいねえ。何でこんなことしなきゃいけないのさっ!」

「え、何だ? 揉めているのか……ぐはあっ!」

 どういうわけかは一切不明であるが、謎のBGMが流れてくる。そして、それと同時に影の持ち主の飛び蹴りが腰に直撃した。

 腕に特殊なブレスレットを光らせ、シャレていながらも高性能であるスーツを身に着けている。仮面をつけ、素顔を隠しているのが普通のはずのヒーローが、馬乗りになりながら怒号を轟かせる!

「公園に出た怪人って、あんただったのかい! この私のことを、忘れたとは言わせないよ!」

「あーっ⁉」

 赤というには少しばかり派手というか、鮮やかな紅色のスーツを着ていながら、顔をむき出しにしたままの中年女性。その手に握るハリセンと、凄まじい剣幕は忘れられるわけがない。

「そ、そなたは、レッドの母ではないか!」

 あの阿修羅を産んだ、魑魅魍魎の母。ハリセン一つで人外を追い詰めた、おそらく地域最強の女。

不敵な笑みをその顔に貼りつけながら、恐怖におののく怪人をなめ回すように見つめる。

「あら、やっぱり私の美しさは、一度見たら記憶からなかなか消せないみたいだねえ。でも、この間の恨みを帳消しにするには足りないから、きえーい!」

「うあっ!」

 パーン! 

 本当に紙でできているのか疑いたくなる強度を誇るハリセンからの、高威力の一発。ヒーロースーツを身につけているせいか、いつぞやの参観事件の時よりも力が増している。

「ああ、駄目じゃないですかノリコさん。まだ、ポーズを決めていないのに攻撃を加えるなんて」

「ありゃりゃ~。クラブソルジャーさん、もうやられてる~」

 ようやく追いついた残りの二人が、のこのことやってくる。

 非常にどうでもいいことであるが、レッド母の名はノリコというらしい。

 さらについでに言うと、レッドの母がいながらどうしてレッド自身はこの場に不在なのか。

「遅かったわねえ。私より若いくせに、頼りないったらまあ」

「あなたがせっかちなだけです。とりあえず、彼の上から降りて下さい」

「はいはい、わかったわよ」

 レッド母は渋々ながら、ブルーの指示に従って怪人から離れる。だが、何故か姿勢は実に偉そうな仁王立ちだ。

「あのですね。僕達の仕事は、一定の手順を踏んでから行わなければならないものもあるのですよ。それなのに、勝手なことをさせては」

「いいじゃないの、さっさと怪人やっつけた方が早く上がれるし。私だって、今回はどうしてもって言われたからヨシオの代打で出てあげてるのよ?」

「それには感謝しますが、特別給を組織から支給されている以上はこちらの言うことを聞いていただかないと」

 こいつらは一体、何の話をしているのか。三蔵さんの語りよりも、さっぱり主題が掴めない。

 クラブソルジャーが首をひねっていると、ピンクがこっそり近づいてきた。

「ブルー君が忙しそうだからぁ、今回はあたしが事情を説明するね~」

「う、うむ。頼む」

「あのねえ。レッドさん、この間の戦いでホワイトちゃんに一回フラれてたでしょ?」

「ああ。あの、無口で思考回路が吹っ飛んだ女にな」

「クラブソルジャーさんが命からがら逃げ切った後、レッドさんったらもう一回ホワイトちゃんに告白したの。そうしたら、見事に玉砕しちゃって。それで今回、失恋のショックで立ち直れないからってえ、休暇届出して自宅で寝込んじゃってるらしいんですよね~。で、ピンチヒッターとしてお母様が日給と引き換えに来てくれたってわけ」

「はあ?」

 ヒーローが、失恋から立ち直れず仕事をサボるだと? こんなふざけたことがあっていいのか?

 生真面目な彼には到底理解できそうにない理由に、意識せずとも眉間にしわが自動的に刻まれる。

「あ、ホワイトちゃんは、研修期間を終えてトロワーファイブの元から巣立っていきました。ほら、遠くのホワイトちゃんに向けて敬礼!」

「いや、我は付き合わぬぞ」

「ちなみに、あの後あたしは賭けに負けたってことでブルー君にご飯をおごらされちゃった。何かムカつくから、一回切りつけていい?」

「断る!」

 ピンクのテンションに振り回されていると、横の二人の話が知らないうちに進展していた。

「いい? そもそもあんたらが不甲斐ないからさあ、トロワーファイブは人気がないのよ? ねえ、あんた達がこの地域の人から何て言われてるか知ってる? 地域の穀潰しよ? 穀潰し! 恥ずかしいとか思わないわけ?」

「うう……」

 普段は無駄な口の達者振りを発揮して相手を言いくるめるブルーが、覇気に押されてたじろいでいる。やはりこの女、ただ者ではない。

「ま、こんな話をしてる間に、さっさと仕事をした方がいいかしらね。じゃあ、早速とどめを」

「待てっ!」

 命の危機を感じたクラブソルジャーは、振り下ろされたハリセンを器用に白刃取りしながら猛攻を制止する。

 レッド母は露骨に不愉快そうにしながら、キッと眉をつり上げた。

「何よ、護身用の武器如きにビビっちゃって」

「それのどこが護身用だ! 言っておくが、それには充分殺傷能力があると我は睨んでおるからな」

「遺言はそれだけ? じゃ……」

「人の話は最後まで聞かぬか! 毎回申告するのも心苦しくなってきたが、我はまだ何もしておらぬのだ。ヒーローに退治されるいわれはないぞ」

「また何もしてないパターン? あんた、怪人としてやる気あるわけ?」

「は?」

 やる気……とな?

 思いがけない責められ方に、つい唖然としてしまう。

 こちらが戸惑っているうちに、レッド母はさらにまくし立てた。

「あのねえ、怪人は悪いことしてヒーローに倒されるのが仕事みたいなもんでしょうよ。つまり、あんたが何かしらの悪事を働かない限り、ヒーローも職務を全うできないのよ。こっちもさあ、あんたが悪いことしないと退治できないからお給料がもらえないってわけ。わかる?」

「ええと、その」

「こっちが適当に話をでっちあげてもいいんだけど、それじゃあ張り合いがないっていうかねえ。ちょっとさあ、そこらでちょちょっと女でも襲ってきなさいよ。うまい具合に乱入して退治してあげるからさあ」

「いや……人間をちょちょっと襲うというのは」

「ああもう! 随分とヘタレな怪人だねえ! 私の尻も触れなければ、女の一人も襲えないのかい。この、根性なし!」

「痛っ!」

 世界初。悪事を働かないというだけで説教された末にどつき回される怪人。

「ううう、この間も似たようなことが。確かあの時は、悪事を働かぬからと理不尽に殴り倒されたのだったな」

 流石は親子。理由は異なれど、地雷が埋まっている場所が何となく似通っている。相手に悪事を働くように強要してくる分、母の方がかなりたちが悪いが。

「仕方ないわねえ。女を襲えないんだったら、男を襲ってもかまわないわよ?」

「こういうのは、性別の問題ではなく」

「誰も手籠めにしろって言ってんじゃないんだからさあ。そのカニばさみで、後ろからガツンとぶん殴ってやりゃあいいのよ」

「これで殴ったら、確実に死ぬぞ! 代打とはいえ、ヒーローが人殺しを強要するつもりか?」

「あらあ。それ、そんなに威力があるの? じゃあ、そこにあるゴミ箱でも漁ったらどうかしら。人間にとっては充分迷惑よ」

「いきなり悪事のスケールが……。そんなセコい悪事では、怪人としてのメンツが」

「ああもう、じれったいわねえ! じゃあ、これでいいでしょ!」

「あっ……」

 何を考えているのか。レッド母は不意にクラブソルジャーの左手を掴むと、それをそのまま自分の胸元に引っつけた。

 リアクションに困る微妙な触感と、彼女の勝ち誇ったような笑みが同時に飛び込んでくる。

「はい、これで痴漢成立。お尻じゃなくて胸なら、問題ないわよねえ?」

「我が問題視していたのは、触る部位ではない! それにこれは、我の意志では」

「はい、聞こえなーい! 悪い奴の言い訳なんて、全然聞こえないわあ! てことで、行くわよー」

「ややや、やめてくれっ! ちょっ……」

 赤い悪魔……いや、紅色の悪魔の降臨に、クラブソルジャーの理性が吹き飛びそうになる。どうにか助けを求めようと、涙目になりながらいつの間にかこちらから距離を置いていたピンクとブルーの方に視線を送った。

「た、頼む。こいつを何とかしてくれ。貴様らには、仲間を監督する義務くらいあるだろう?」

「無理よぉ、あたしの力じゃあ。ブルー君なら」

「そ、そんなこと言われましても。大体、僕だってノリコさんには色々なことを否応なしにされたんですよ。基地で待機している時に壁ドンされたり、彼氏になれと迫られたり」

「あらあ、カズヤ君。このバツイチ独身の美魔女に口説かれたことが、そんなに不満なわけ?」

「い、いえ。滅相もございません。非常に名誉なことです、はい」

「そうよねえ。私のお眼鏡にかなうなんて、これほど名誉なことはないわよねえ。うふふ」

 本日のブルーが実力を発揮しきれない理由が、誰に頼んだわけでもないのに明らかとなった。

 女豹は委縮する彼を適当にあしらってから、なめずりをしながら再び怪人の方を見る。

「若い子もいいけど、あんたもよく見たら見られないこともない顔してるのねえ。人外が彼氏っていうのも、面白いかも。ねえ、そんなにハリセンで叩かれたくないんだったら、私と付き合うって言うなら見逃してあげてもいいわよ?」

「はあ⁉」

 怪人と付き合う? それは、本気で言っているのか!

 次々と身に降りかかる刺激の強い話に、クラブソルジャーは目玉をひんむく。しかし、彼に残された時間はごくわずかであった。

「ほら、返事はオッケー? それともイエス? 早く答えなさいよ。ほら。ほら。ほらほらほらっ!」

「うう……」

 何故断るという選択肢がないのか。そして、怪人が人間の女にこんな形で襲われるなんて展開が、果たしてあっていいのか。

「そ、そんな。あってはならぬ。人間と悪の怪人が付き合うなど、決してあっては」

「でもあなた、この間きれいな女の人と一緒に」

「ブルー! 余計なことを言うなあっ!」

 まさかのタイミングでの告げ口に、あたふたする怪人。

 今の一言が燃え盛る炎に注がれる油となったことは、説明するまでもない。

「ふうん。あんた、単に私が嫌だって言いたいわけねえ? なるほど」

「い、いや。考えてもみてくれ。相手が人間というだけでも充分問題だが、ヒーローの母と愛を契り合うなど、とんでもない。こんなドロドロとした話が許されてなるものか。これは、昼ドラではないのだぞ!」

「言い訳したって無駄よ? さーてと。まずは一発……とうっ!」

「うわあーっ! く、首がーっ!」

 マッハで繰り出されたスイングが、後頭部に見事に命中。衝撃で首の付け根を痛めた上に脳震盪を起こしかけ、視界が歪む。

「次はどこを狙おうかしらねえ」

「や、ちょ、やめっ……!」

 回復しきらないうちに叩かれてはたまらないと、クラブソルジャーは俊敏な動きで彼女の元から退く。

 だが、スーツで強化されているだけに、レッド母の動きもまた凡人の域から抜きんでたものと化している。

「逃げたって無駄よ。このスーツ、便利ねえ。もらっておいて男を追っかけるのに使おうかしら」

「正義のために開発されたものは、正義のためにのみ用いろ! 開発者が泣くぞ!」

「泣いたら私が泣き止ませてあげるわよ。物理的に、だけど」

「ひいいいーっ!」

 青は藍より出でて、藍より青し。人間界には、そんなことわざが存在しているという。確かそれは師匠よりも弟子の方が優れているという意味であったはずだが、危険思想を持つ親子の場合、話が別だ。確実に親の方が、子を遥かに凌駕する恐ろしさを秘めている!

 右腕のはさみを振るう間もなく、クラブソルジャーは公園から脱出しようと腰を抜かしながらも駆け出した。だが、紅色の悪魔がそれを許すわけがない。

「情けない男ねえ。ちょろちょろ逃げ回ったりなんかして。ハリセンが嫌なら、今度はこっちの武器を使おうかしら」

 レッド母はそう言うとブレスレットから何かを取り出す。

 その正体が露わになるなり、ブルーとピンクは「あっ!」と声を上げて仰天した。

「そ、それ、ギガ・フラゴルガンじゃないですか!」

「使用禁止のはずなのに、何で持ってるんですかあ~!」

 強力過ぎる破壊力ゆえに、封印された最恐の危険物。それをどういうわけか、彼女は手の中で遊ばせている。

「あらあ、このスーツを受け取りに基地まで行った時に、あなた達の上司の人の机の上に置いてあったもんだから持っていっていいのかと思っちゃったわよ。それにしてもこれ、すごそうねえ。うふふっ」

「「……」」

 何でもありなのか、この女は。

 彼女の前では、常識も道理も法律までも全く機能しそうになかった。

「さーてと、私のプライドを粉々にしてくれたクソ怪人を粉砕するとしましょうか! せーのっ。ドカーン!」

「うおおおおーっ!」

 禁断の武器から放たれる玉は、みるみるうちに地面に風穴を生産していく。もうもうと立ち込める爆炎の中を、クラブソルジャーはすすだらけになりながら逃げ惑った。

「はあはあ……。代打を頼むにしても、人選というものがあるだろうが。何故よりによってこんな。我はきちっとしたプロセスを踏み、ヒーロー達と剣を交えたいだけだというのに」

「うるっさいわね! 私の胸を触れたんだから、それだけでも幸せなことだと思いなさいよ!」

「ぎゃあーっ!」

 クラブソルジャーは色々な部分から様々な体液を吹き出しながら、光にも勝る速さで去っていった。

 それを見た二人は、レッド母の後ろでポカンとしながら顔を見合わせた。

「今回は、見ているこちらがヒヤヒヤしっぱなしでしたね」

「う、うん。あたし、恐くて泣きそうですぅ。キモくてもいいから、レッドさん帰って来て~」

「僕だって、これならまだ先輩と一緒にいた方が。僕にはまだ、このあと色々ありそうですし」

「あらあ、次に撃たれたいのはあなた達かしら?」

「「いやいやいやっ! す、すみませんでしたっ!」」

 こうして今日も、地域の平和は守られた。

 ありがとう、トロワーファイブ! これからも、怪人の魔の手から人々を救い続けてくれ!

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