表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第一章            ~出発~

リリリリリ…

チュンッ、チュンッチュンッ。

ドサッ。

いてててててて、また落ちちゃった。はあ…やっぱり夢だった。やっぱり腕についているわ。

そう、ブレスレットが。



「えぇ、花梨、今日は一人で帰るのぉ?」

ごめんね、今日、用事があって…

「昨日つけられていたみたいだが、大丈夫か?」

…だ、大丈夫だよ。たまたま、だよ。

「そう…気をつけてね。」


あー、また、誰もいないよ。

やだな…怖いな。早く帰ろう。

シャー…

な、何?今度は、何?

足が勝手に止まる。動かない…動かせない‼

一刻も早く逃げ出したいのに、足がすくんで動かない。

後ろから何か、来ている‼

ど、どうしよう。逃げられない。

ガッシャ―ン‼パリーン…

あ…クリスタルが…

「粉々に…」

どうしよう…どうしよう‼

ごめんなさい、お父さん…

その時、声が聞こえた…。

「こちらシリウス。ターゲット確保。確かにこの娘です。高校二年生の17歳です。栗色の柔らかい髪なんて、あの母親にそっくりです。目の色は父親によく似た若葉色でした。」

すると雑音混じりに別の声が聞こえた。

「あっそ」

「今から娘を連れて、そっちに向います」

あ…痛…

もう…なんなのこの人‼どうしよう。クリスタルはわれちゃうし…。

「エドガー様、自分の妻のことなんですから、少しは興味をもったらどうです?」

え…私…結婚しちゃうの?好きでもない人間(人と読む)と?やだな…っていうか意味わかんない‼そういえば…

…そっち…て、どこ?

「孤島シェダルだ。…これからあんたには、ちょいと来てもらうよ。あんたの両親の罪をあんたが償え。」

お父さんとお母さんは…罪を犯すような人じゃ、ない‼

「違うね。あんたの親は…」

シリウス、とやらは、それ以上は何もいわなかった。

黙って歩いていたら、突然、シリウスが指を鳴らした。

途端、地面がなくなった、いや、正確には消えた。

見ると、下は…緑があふれる孤島。透き通った海。

緑がないところには所狭しと家々やビルが建ち並んでいる。

って…もしかして…

「私、空から落ちているの!?」

「そうだけど?」

わあ…すごい…

緑があふれる中に、ひときわ目立つカラフルで豪華な宮殿。

まるで、おとぎ話に出てくるような景色が今、自分の前に広がっている。

「あのカラフルな宮殿は、シェダルを治める国王陛下がお住まいだ。あれはこうでそれはどうで…」

花梨の耳にはあの宮殿のこと以外は、全く入らない。

あの宮殿に入ってみたいなぁ…

そんな不可能な願いが、脳裏をかすった。

「あの宮殿には入れないのですか?」

すると今まで熱く語っていた彼は、話をぴたっとやめた。

「はぁ?何言ってんの。これからあそこに行くんだよ。…着いたぞ。足元に気をつけろ」

?…あ、あぁ‼やばっ。ふう、セーフ。転ぶところだったぁ…。

改めて見ると、大きい…豪華…。いくらかかったのかしら…?

地球上にこんな場所があったのかー。

「行くぞ」

え?どこに?

「目の前の建物」

ええ?あの!?

国王が住むとかいうところに!?

「とにかく、早く行くぞ‼」

えええー‼


「私は国王のエドワードだ。こちらは妻のエリーノだ。そいでもってこちらは王子のエドガーだ」

わ…何この人達。日本ではあり得ない服装だなぁ。

…あの人、エドガーっていったよね。瞳は、深い海色で肌は金髪に負けず劣らず白い。歩く時靡く綺麗な金髪。ブロンドっていうのはこういう髪のことなんだろうなあ。

「まあとにかく、今日はもう休んでいいよ。疲れただろう…えーと、カリン。斬新な名前だなあ。あの父親の娘のくせに」

何この…えーっと、国王?

帰っていいかしら!?

「帰れないよ、カリン。ここへの扉は必要以上に開かないのだよ」

何よシリウス‼絶対に帰るんだから‼

とはいえず…

「カリン、お前はエドガー様と結婚するんだぞ」

は?な…何の話?もう一度いってよ。

「だぁかぁらぁ、お前はエドガー様と結婚するんだぞ」

私が?えー!?嘘でしょ、シリウス!?

「そういうことだから」

ええー!?


はあ…疲れた。明日には結婚式があるから、早朝には帰らなきゃ…そうしないと政略結婚させられちゃう。帰りかた、帰りかた…わかんない‼あ、でも、ここに本がある。面倒だけど探そうっと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ