『死人』と呼ばれる彼女(仮)
死人。
そう言われる女がいる。
土に埋もれたような髪の色で、表情に生気がない。
そもそも、顔の上半分ほど前髪で隠れている。
さらに腰にかかりそうなほど長い髪も手入れしてないのか、色々な方向に曲がっていた。
話すことも余りせず無口。
総合して、死人を簡単に連想させる雰囲気を纏っているのだ。
しかし彼女は余り嫌われていない、かと言って好かれてるわけでもない。
初めて見た人にとっては、その姿は死人を連想させるような姿だ。
だが長年見ていると、生気のない表情や一つ一つの仕草が女性らしいと見えてくる。
例えるなら、磨いていないダイヤのような女性だ。
隠れた前髪からたまに覗く垂れた目や、極稀に喋る言葉。
髪の毛や少し大きい制服で分からないが、その体は平均的な女性より女性らしい。
いわゆるグラビアに出てきそうなスタイルだ。
しかし、それらが雰囲気で相殺されている。
だが彼女は美しい。
(と、言ったら変な目で見られるよな……。)
俺はそう思いながら、友人との談義中に彼女を見る。
静かに次の授業をして、予習なのかノートに何か書き始めた。
事実彼女を嫌う者がいても、好くような者はいない。
誰にも聞いたことはないが、恐らく全員が思っていることだ。
そんな中で、彼女に好意的な発言をすれば痛い者を見るような目で見られるのが必然。
だから俺は何も言えない。
密かに彼女を見ながら、周囲に溶け込む。
つまらないことを友人と話しながら、周囲に彼女に興味がないように見せかける。
だが、心では彼女に興味があった。
とりあえず、ここで熱が冷めたため終了。
書き終わって、誰か考えてそうな気がしたしね(笑)
需要もなさそうだし……。
……もし需要ななんかあったら、感想書いてくれると嬉しいかも……。