変質者コンテスト
セリフのみで書いてみたかったのでチャレンジしてみました。
何も考えずに読んで頂けたら、少し笑えるかと思います。
「さぁ! 今年も始まりました変質者コンテスト、司会を務めさせて頂きますのは芸歴10年目の私、漫才人生の中山です」
「そして気になる審査員の方々は~…大人気女優の萌ちゃん! 俳優の山田清史郎さん!」
「審査員長を務めるのは今年もお馴染み芸術家のミケさんです!!」
「出場者達を待たせる訳にはいきません! 早速やっていきましょう!」
「一番手はこの人、いやこの人しか出来ないであろう! トレンチコート伯爵~!!」
「いや~お恥ずかしい、皆さんは私がこの後何するか分かってらっしゃいます、だが私はプロの変質者として自らの意思を貫き通すのみです!」
【バッ!!】
「審査員の皆さん見て下さい! これが紳士である私の全てだー!!」
「さぁ! 始まりました綺麗なポージングです、大事な部分は何と葉っぱ一枚で隠すという大業だ! 審査員の判定はいかに…」
「8点、8点、6点、合計22点です! 一番手でありながらの高得点と言えるので無いでしょうか?」
「審査員の方々の意見を聞いてみましょう、萌ちゃ~んお願いします」
「えーっと、先ずは生で見させて頂きありがとうございます、最早伝統芸と言える代物であり、THE変質者といえますが一番手ですので点数は抑えさせて頂きました」
「萌ちゃん、ありがとうございます。では次は山田さんコメントをお願いします」
「あの~、葉っぱ一枚で隠すというのが僕の世代には刺さりましたね。懐かしい光景に胸が踊りました」
「ありがとうございます、では審査員長お願いします」
「昔ながらの伝統芸に懐かしさをプラスした良いアピールでしたが、それ故にオリジナリティが感じられなかったのが残念です。なので私は平均より少し上の6点という評価をさせて頂きました」
「流石審査員長、厳しい評価となりました」
「さて、この空気を覆せるのか次はこの人の登場だぁ!! 赤ちゃんプレイマン!」
【ガラガラッ、ガラガラッ】
「もちゃもちゃ、ママ~、オムツかえて~バブーバブー」
「これは先程の紳士と正反対で手にはガラガラを持ち、おしゃぶりをしてのアピールとなりました、さぁ判定は~」
「7点、8点、5点、合計20点です! 今回は一番得点の高かった山田さんからコメントを頂きましょう」
「あの~、男なら誰でも女性に甘えたいというのがあると思います。赤ちゃんが使うガラガラを自ら振って存在をアピールした上で話しかけてくる芸当は流石だなと思いました」
「なるほど、男ならという意見ですね、では女性の意見を聞いてみましょう」
「私は先程より低いかなって思いました、変質者の割には先程と違って待ちの姿勢にならざる終えないというポイントが減点理由です」
「赤ちゃんですからねぇ~、そこは致し方無い部分ではありますよね。最後に審査員長お願いします」
「なりきるタイプの変質者なのにリアリティが無いなと感じました、皆さんが仰ったとおりガラガラで相手を呼ぶまでは良いのですが、赤ちゃんなのにはっきりと喋る点、実際の赤ちゃんはバブーとは言わない点、以上2点から私はあまり評価出来ないなと思いました」
「審査員長、またしても厳しい評価です」
「では次は貴重な女性の参加者バブルガールの登場だぁ!!」
「さぁ! 思う存分私を見て、私を興奮させなさい!」
「おぉ!!」
「観客は男性が多いせいか歓声が沸きました、目元だけ隠したマスクによる視線と際どい部分を泡で隠した攻めのスタイルでウォーキングする姿は私も男であるいじょう目を奪われてしまいます…」
「いけない、いけない、進行を続けましょう! 判定お願いします」
「6点、8点、8点、合計22点です! 今回は萌ちゃんが厳しい判定か?」
「ではまたしても一番得点の高かった山田さんからコメントお願いします」
「あの~、やっぱり男なので興奮してしまいますよね、見えそうで見えないポイントをよく抑えていると思います」
「なるほど、8点…、ありがとうございます。次は迷いますがぁ~、やはり審査員長は最後でしょう、萌ちゃんお願いします」
「厳しい言い方になるかも知れませんが言わせて頂きます、目元を隠して身バレを恐れている点、バブルガールと言いながら泡の下に白い布でカバーしている点、私はあまり評価出来ません。
ですが同じ女性として出てきた勇気にプラス1点です」
「白い布、確かによく見ると着けてますね、とはいえここはコンテスト会場です安全面に配慮した処置のように思うのですが…」
「中山さんのいうとおりですね、白い布は安全面に考慮し、目元を隠したマスクは身バレ防止ではなく男性を想像で興奮させる手法だと思います、判定基準は人それぞれですが同じ女性であるという事から敢えて厳しくしているとしか思えません」
「「「そうだ! そうだ!」」」
「「「評価を改めろ!」」」
「おぉっと会場から野次が飛んできました、皆さん落ち着けて下さい」
「…分かりました」
「みなさーん!! 萌ちゃんが話すそうなので静かにお願いします」
「分かりました、皆さんがそこまで私ではなくバブルガールさんを擁護するなら、今日をもって私は引退します」
「これは…、大変な状況になってきました。萌ちゃんそこまでしなくても…」
「いえ、もう決めました」
「それは困る」
「えっ? ミケさん?」
「会場の男性諸君!! 君達も萌ちゃんにはお世話になってるのでは無いか!?」
「この子が引退した困るだろ!!」
「そりゃ困ります!」
「俺達が悪かった、萌ちゃん辞めないでくれ」
「また、俺達に元気を与えてくれ!!」
「じゃあ、改めて聞きます」
「私の評価は間違ってますか? というより私とあの子どっちが見たいですか!?」
「「「萌ちゃ~~ん!!」」」
「ふふっ、バブルガールさん、何か異論はありますか?」
「ありません、私もお世話になっているので」
「会場は異様な熱気に包まれてしまいました、流石大人気女優の萌ちゃんです」
「この場を借りて私からも一言言わせて頂きたい、萌ちゃんいつもありがとうございます!」
「「「ありがとうございます!!!」」」
「ふふっ、どういたしまして」
「さて、皆さん切り替えて下さいね、次が最後の出場者です」
「ミニスカロリッ娘です!」
【タンタンッ、タンッ、タタンッ】
「これはフラメンコでしょうか、その名のとおり150cmぐらいの女の子が踊り、短いスカートの中が見えそうだ…?」
『ざわざわ、ざわざわ』
「何か、スカートの中からチラチラと見覚えのあるような物が…」
【バッ!!】
「私は男だぁーーー!!!」
「おぉっとこれは急展開! ミニスカロリッ男だった!」
「これは誰もが裏切られた展開かぁ~、最後の判定結果は!?」
「10点、8点、9点、合計27点!! 最高得点だ!」
「えーっと、では山田さん一応コメントお願いします」
「あの~、凄い、裏切られた~って感じでしたね、チラチラと見えてはいけないものが見えていく展開、面白かったです」
「はい、ありがとうございます」
「続いてはこのコンテスト初の10点を出した我らの萌ちゃ~ん、コメントお願いします!」
「一番最初のトレンチさんと似た構造でありながら、意外性を伴ったアピールでした。
男女共に恐怖するそんな存在でこれ以上の変質者はいないんじゃないでしょうか」
「これ以上の変質者はいない、最高得点を出すに相応しい人物であるという事ですね」
「一方で9点という得点、今回自身が出した最高点でありながら満点までは届かないという評価です、審査員長コメントお願いします」
「萌ちゃんが言ったとおり、トレンチさんの伝統芸から派生して出来た意外性のあるアピールであり、自らの身長を生かした彼にしか出来ない業でした」
「ただ、私が最高得点を付けなかったのには理由があります…」
「このコンテストを終わらせたくない、彼以上の変質者、自らの個性を解放できる場を私は提供したいのです…」
「彼より自分の方が凄いという内に秘めた想いを是非ぶつけて私に最高得点を出させて下さい!」
「要するに彼はミケさんの中で暫定1位という事でしょうか?」
「えぇ、間違いなく1位です、そして彼の発想力で今回を超える変質者へ進化して頂きたいです」
「なるほど、審査員長から総評ともとれるコメントを頂けたので本日はこれにて終了となります、優勝はミニスカロリッ男さん!!」
『わーー!! パチッパチッパチッパチッ』
次の日、山田は炎上した。
(了)




