そこにあった可能性
「う、……」
「……あ、起きられましたかね…?」
ぐい、と瞑られた目をこじ開けると、そこにはたくさんの、人…がいた。
なんで…あの人に連れてこられたのか?
「こんにちは。わたしは柚月陽菜です。」
制服がローブになったような不思議な格好をしていた。整えられた茶髪に黄色の目。驚くほど色が白くかわいらしい。
「となりは柚月連くんです」
「……どうも」
柚月連、と呼ばれた少年もローブを身にまとっている。
黒色の髪に碧い目がとても綺麗で、美形、といったところだろうか。
………ん?まてよ、苗字が同じ?
「2人は兄弟、ってことですか…?」
一斉に答えが帰ってくる。
「違う」
「そうですよ」
ぎ、と茶髪の少女は黒髪の少年を睨みつけた。
「だ〜か〜ら〜!わたしと蓮くんは家族なの!いい加減認めたらどう!?」
黒髪の少年は納得がいかないと言った様子でそっぽを向いた。
「家族だけど家族じゃない」
「またその変なこだわり!本当に可愛くない!」
その時、純白と桜色がすっと目に入った。
「まぁまぁ、落ち着いて落ち着いて?ね、せんせー!」
「ああ、そうだねぇ」
先生、と言われた青年は黒い髪が片目を隠していた。
それから、なぜか頭髪の上の方が白い。
これは…突っ込んでもいいものなのだろうか。
彼はなぜか長いコートのようにローブを着ていた。
「僕のことは葉月先生と呼んでくれ」
「は、はい…」
ふああ、と欠伸が聞こえ、そちらを向くと猫耳の生えた少女がいた。
……猫耳!?
「よろしくショーネン。あたし、葵」
「あ、どうも…」
ぴくぴく、と耳が動く。
いやなんかおかしいだろ!兄弟に先生に猫耳?属性どうなってんだ!
「ねぇ少年?わたしのこと忘れてない?」
にこ、と純白と桜色がこちらを見ていた。
この人、服が白基調なだけで目と髪は桜色なんだ。
服の主張が強いと言えばいいのだろうか。ただのポンチョなのに白がすごく強調されている。
「少年〜〜!わたしだよ君を救ったわたし!ちょっとは興味持ってくれない?」
「あ……。すみません、お名前は…」
にこ、と桜色が笑った。
「多分思ってるままだよ!一色桜。よくそのままだね〜って言われるの!」
一色桜。変わった名だ。
「それで?桜、この子連れてきたはいいけどどうするんだい」
「それはねっ!わたしに秘策があるといいますか〜〜」
「何も考えてなさそう」
にこにこと桜さんに聞く葉月先生、それを聞いて自信ありげな桜さんに興味が若干しかなさそうな葵さん。
いや、若干あるだけましか。
「ま、とりあえず」
桜さんの声色が変わった。
これは…人を導く人間の声だ。
「会議を始めよう」
皆が一斉にはあい、と声を上げる。
「今日の課題はそこにいる少年____悠くんのお友達、市川藍ちゃんのことだ」
「藍っ…!?」
にこり、とこちらを向くその顔はまるで待ってたよと言わんばかりの。
「君も必要だ。さあ、会議を始めようか」




