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世界に転生した俺は、勇者たちを導く  作者: 鈴木泉
第2章 勇者選別

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第13話 氷と炎の激突


混沌とした舞台


大神殿の広間は修羅場と化していた。

勇者候補たちが入り乱れ、剣戟の火花と魔法の閃光が飛び交う。

床は割れ、石片が宙を舞い、観客席からは興奮した声が絶えない。


「おおっ! あっちで二人倒れたぞ!」

「魔法の雨だ! 避けろッ!」


その混乱を切り裂くように、一人の剣士が進む。

銀髪を揺らし、冷徹な瞳で敵を射抜く――ユウマだ。

近寄った候補を氷刃の閃きで斬り捨て、その歩みは止まらない。


「チッ……目立つじゃねぇか」

反対側で炎を爆ぜさせる男がいた。

真紅のローブを纏い、炎を纏った杖を振りかざす魔術師――フレイル。


赤と青、熱と冷気。

乱戦の渦の中で、二人の視線が交差した。


観客「おおっ、氷のユウマと炎のフレイルだ!」

観客「これは熱い戦いになるぞ!」


必然のように、二人の強者は舞台の中心で対峙した。



開戦 ― 炎と氷 ユウマVSフレイル


「燃え尽きろォ! ―フレイム・ストーム!」

フレイルの杖から炎の奔流が解き放たれ、舞台を覆った。

熱風が観客席にまで押し寄せ、人々が顔を覆う。


ユウマは一歩も退かず、剣を振り抜く。

「凍てつけ――氷刃零閃(アイス・ゼロ)!」

氷の閃光が炎を切り裂き、蒸気が舞台を覆った。


「なっ……俺の炎を斬っただと!?」

フレイルが驚愕に声を漏らす。


「……お前の炎では、俺を溶かせない」

ユウマの声は氷のように冷たかった。



攻防 ― 炎の乱舞と氷の封鎖


「まだまだァ! 炎よ爆ぜろォ! ―イグニション・バースト!」

爆炎が炸裂し、空気そのものを灼熱に変える。

観客席に熱波が押し寄せ、悲鳴が上がった。


「……派手なだけね」

ルミナスが冷ややかに呟く。


ユウマは氷気を纏わせた剣を突き出す。

「斬り伏せる――凍牙斬(グレイ・サーベル)!」

氷の牙のような斬撃が爆炎を切り裂き、フレイルを後退させた。


「クソッ……小賢しい真似を!」

フレイルは杖を天へ突き上げ、詠唱を重ねる。

「紅蓮よ、柱と成りて敵を穿て―クリムゾン・ピラー!」


炎の柱が舞台に乱立し、周囲を赤く染める。

熱気が立ち上り、石畳さえ焼ける勢いだ。


ユウマは目を細め、冷ややかに囁いた。

「無駄だ……氷縛凍結(フリーズ・バインド)


氷の鎖が炎の柱を絡め取り、爆ぜる熱を無理やり凍らせる。

柱が崩れ、舞台を白く染めた。


観客「すげぇ……氷が炎を食ってる!」

観客「フレイルの炎が押し負けてるぞ!」



決着 ― 炎を喰らう氷


「まだだァァァッ!」

フレイルは叫び、最後の力を振り絞る。

「紅蓮の炎よ。命を賭して燃やせ――ヘル・フレア!」


炎の渦が爆ぜ、赤黒い火球がユウマを包み込もうとする。

灼熱の奔流の中、ユウマはただ一言を呟いた。


「終わりだ」


冷気を纏った剣が振り下ろされる。

氷刃零閃(アイス・ゼロ)―終式」


白い閃光が炎を切り裂き、爆炎ごとフレイルを飲み込んだ。

轟音と共に火は霧散し、赤いローブの魔術師は床に叩きつけられた。


「ぐっ……クソ……派手に……負けたな……」

呻き声を残し、フレイルは意識を失った。


観客「ユウマだ! やっぱり強ぇ!」

「冷徹な剣士……恐ろしい!」


ユウマは一瞥をくれるだけで、氷の刃を収めた。



残る影


「これで……残ったのは三人か」

俺は心の中で呟いた。


ソウマ。ユウマ。

そして――鎌を携え、沈黙を守る無言の男。


その影が揺れた瞬間、胸の奥に冷たい痺れが走る。

(……ただの戦士じゃない。あれは……何だ?)


リアナは祈るように手を組み、ルミナスは冷たく目を細めている。

俺は言葉にならない違和感を抱えながら、黙してその影を見つめ続けていた


読んで頂いてありがとうございます!!


毎日更新したいと考えていますが仕事の都合上、深夜に更新することが多いです!ぜひページ左上にあるブックマーク機能使ってみてください!


また、連載のモチベーション向上にもなるので面白いなと思ったらすぐ下にありますので☆☆☆☆☆や、リアクションもお願いいたします!


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