「顔合わせ」
今回集まった森川を含めた15名が野球推薦で桜陽高校に入学したメンバーになる。
この他に希望者がいれば一般生徒からの野球部入部も可能であり、
事実この後に入部した一般生徒は10名程度になる。
森川は空いている席を見つけ座るとちょうど扉が開き、
顧問である教師が入室してきた。
身長180cmの長身でメガネをかけたイケメンだった。
「みなさん、こんにちは。
これから3年間野球部の顧問として関わる水原です。
監督は1週間後に日本に帰国する予定なので、その時に紹介します。
またここにいる皆さん以外にもメンバーはいますのでそちらも後日紹介します。」
顧問である水原はそれに付け加える形で、明日からの1週間は
監督から指示があった練習メニューを代理で監督すると告げ、解散とした。
「君はなんでこの学校に来たの?」
森川は隣に座っていた坊主頭の同級生に突然話かけられた。
一瞬驚いていると彼は何かに気づいたように話を続ける。
「あ~ごめん。
僕は、林。林守って言います。
君は?」
「俺は、森川祐樹。
よろしく」
森川も名乗り返す。
「それでなんでこの学校に来たの?」
林は改めて聞いてきた。
森川はなんて答えようか迷った末に
「新設校で野球するなんて楽しいかなってさ」
なんか適当に答えてしまった。
「そっか。
まぁ俺は女子ばっかの高校に行ってみたかったんだよな~」
林の動機は森川のその答えよりもずっといい加減だった。
「じゃあ明日から練習始まるからよろしく」
そう言うと林は部屋を出て行った。
不思議なやつだな。
周りを見渡すと
他の生徒も林の後を追うように各々ミーティング室からいなくなった。
「俺も帰ろう」
森川もそれに続くように部屋を出た。
桜陽高校入学初日は、あっという間に終わっていった。
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