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深夜の短編集

死んでしまった海のそばで

作者: yu

海風が吹いている。

それは死人のうめき声のようで。地獄からの呼び声のようで。

伝え聞く潮の香りなんてものはどこにも存在しない。ここにあるのは死の匂いだけだ。


200年前にこの世界は滅んだ。きっかけは何だったのかは分からない。

気候変動や食糧不足が原因だったのか?

過激化した思想の対立が原因だったのか?

はたまた狂った為政者による悪戯が原因だったのかもしれない。


いずれにせよ世界が大きく燃えて、多くの血が流れた。流しすぎた血を洗い流すように長く長く雨が降り、隠すように雪が積もった。

生命の象徴、根源であった海は当時の大戦の残骸が浮かぶ死の海となり、人が住める土地も極わずかとなった。


そんな訳で、海のそばに住む人間なんてよほどの変人しか居ない。でも、私は海が見える丘に住んでいる。

そこが死の海であったとしても、そこに映る月の輝きは変わらないさ。そう言った彼の言葉がまだ忘れられないから。


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