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テレフォンライン  作者: 新庄知慧
93/116

93 警察へ来い

新聞をたたみ、篠原の死によって、捜査がまた袋小路に入ったと憂鬱な気分になったところへ電話が鳴った。




「大田だ。警察へ来い」




私はいった。「今度は何の用だ?」




「事情聴取だ。恐喝容疑だ」




「何だって?」




「同時に篠原殺害事件の重要参考人として出頭を命ずる」




「よくわからないです。刑事さん」




大田はうんざりした口調でいった。




「とぼけるなよ。今度は正直になったほうがいいぜ。篠原は、撃たれる直前に、友達の弁護士に電話したんだ。




失礼な探偵が、ありもしないことをいって、自分を脅迫しにきた、とね。ところがその篠原が殺された。




弁護士は慌てて警察にお前のことを知らせてきたよ」




「ふうん」




「ふうん、じゃないだろ。今度は警察で少し泊まってもらうことになるぞ。逃げるなよ」




「そうか、わかった」




「本当にわかったんか?俺はお前とは腐れ縁になりすぎた。それに俺は篠原さんの方で手一杯になるからな。取り調べは藤山さんがあたる。正直に何もかもいえよ」




「わかった」私は素直にいった。




「何が、わかった、だ。本当に分かれよ」大田はそういって、電話を切った。




・・・・・




藤山は相変わらずの要領を得ない調子で、私から聞き取りを行なった。




私は、永野が差出人となっているワープロの手紙を藤山に見せて、ことによるとこの手紙に篠原が何か関係しているのではないかと考え、




かなり踏み込んだ調子で篠原に聞き取りを行なったことを伝え、それが篠原の逆鱗に触れたのだろうと話し、頭を下げた。




藤山は私が見せた手紙を読み、浮かない顔をして、いった。




「内容が暗うて、よう意味のわからん手紙ですな・・・」




そして眉間に皺をよせて、口をへの字にして読み直し、いった。




「永野先生とやらは、どこにいるんやろ。これ読むと、永野はんは、マユミを殺し、内田も殺そうとした、と、こういうわけですな」




「この前は話しませんでしたが、マユミは永野さんと知り合いです」




「それなら警察も知ってます。調べましたんや。電話相談のボランティアで知りおうたんですな」




・・・・つづく



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