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テレフォンライン  作者: 新庄知慧
87/116

87 弱い奴はつぶせ

「別に許可は得てません。許可がいるなんて知らなかった。市民の病院では、市民は誰でも先生に会ってもらえるのかと思いました」




「何の用だね。君と話をする時間はないんだがな」




「この度は、ご愁傷さまです。お子さんを、二人までもなくされて、お悔やみの言葉もありません」




「正利のことか。君に何の関係があるんだ」




「いえ、この間、マユミさんについての聞き込みで、ご迷惑をおかけしましたから、おわびに今日は、息子さんの事件について新聞には書いてない情報を提供しようと思いまして」




「いらぬ親切だな。まあいい、何だねその情報とは。さっさといって、帰ってくれよ」




「新聞には、内田が、河合のいじめに会って、義理の兄妹だった2人を、次々に殺害したとありましたが、あれは誤りです。




私は、マユミさんの件で内田と直接会って話をしていますが、河合正利さん、あなたの息子さんのことは、親友だといっていました。




あなたの息子さんは、新聞のいうような、いじめをするような人ではなかったんです。それに、犯人は内田ではありません。




真犯人は別の人物です。犯行現場の調査結果からみて、そうです。これは警察の知り合いから仕入れた情報です」




「それで?」




「息子さんの名誉とか、その犯人について、興味はおありでしょう?」




「何だ。仕事をとりにきたのかね、君は。君のいう、正利の名誉とか犯人のために調査するから、依頼してくれというのかね」




「雇って下さいますか?」




「売り込みか」




「手付け金として百万円で結構です」




「馬鹿かね、君は」篠原は、あきれた顔をしていった。




「だめでしょうか。高すぎますか?」




「帰ってくれ。もう、用は済んだだろう」




「もっと、お安くしても結構です」




「帰らんか。警察にもいったが、私は正利のことは、もう息子とは思っておらんのだ。完全に絶縁している。戸籍からも除籍している。




正利がいじめ?ありうる話だ。あの母親の子供だからな、それに私の子供でもある。いじめ、大いに結構じゃないか。




いじめに負けるような奴が悪いんだよ。弱い奴は潰すべきなんだ」




篠原は面倒くさそうに、喋った。




「それに、。君はその内田は犯人じゃないというが、私にはどっちでもいいことだ。どのみち、それに似たようなものだろう。




殺人ではないにしろ、傷害の罪には問われるんだろう。正利を殴ったんだろう?凶器が殺人には足りないが、傷害には十分だったんだ。




検死結果でもそうだったんだろう?」




私はひどく驚いた顔をして、いった。




「どうしてそれを?」






・・・・・つづく

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