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私はヒロインよ!

「お前は、なんて事をしてくれたんだ!」


お父様が私を怒っていますが私は悪くないわ。

何でこんな事になったのかしら?

フラグは回収したしカルーイも落としたし…何で上手くいかなかったの?

やっぱり、キャロルがシナリオ通り動かなかったからじゃないかな?


私には前世の記憶がある。

10歳の誕生日パーティー中に思い出した。

ドッと頭の中に何かの記憶が押し寄せてきて、頭が割れるかと思うくらい酷い頭痛が私を襲った。

そっから記憶が飛んで、気がついたら自室のベッドで寝ていた。

起きた時には既に、今世の私と前世の私が混ざり合い今の私になっていた。


だから、起きた瞬間にわかってしまった。

ここが『君のために花を捧げる』の乙女ゲームの世界だと。

あまりの嬉しさに、飛び跳ねてしまったくらい好きで何回もプレイしたゲームだった。


私のお気に入りは王太子殿下や第二王子殿下ではなく、宰相の息子の公爵家の息子でもない、私が望んだのは幸薄系の侯爵家次期当主のルーイン様だ。

どんなに酷くても追放か修道院送りで、死ぬルートは無いから楽だったってのもある。

ルーイン様は少し腹黒キャラだけど、大人の魅力があるし包容力があって素敵なのだ。

難点を言うのなら弟のカルーイを攻略しないとルーイン様と結婚までいかずにトゥルーエンドかバッドエンドになってしまう事。

正直言って、カルーイは気持ち悪い最悪なキャラだ。

それを攻略しなくちゃいけないなんて、ゲーム内なら仕方なく会話スキップで攻略したけど、ゲームじゃないと難しい。なんたって気持ち悪い!


初めてカルーイを目の前で見だ時に思った。近寄りたく無い、近づかれたく無い、触りたく無い、触られたく無いって。

臭い、腹出てる、歯並び悪い、ニキビ面、体毛が濃い、鼻毛出てる、鼻くそ食べる。

これだけ揃っているといっそ、清々しいくらいだ。

カルーイはチョロイ奴なので短時間で落とす事を決めて攻略を開始したの。

カルーイを完全攻略出来た時は、不本意ながら喜んでしまったくらいよ。

私の踏み台!やっと落ちた、と。

そしてこれで苦行が終わる!良くぞ頑張ったと。


それが、何故こうなった?

入学当時から何故か、最上級生に居るはずのキャロルが見つからなくて、諦めてイジメは自作自演したの。

自作自演じゃないものもあったけどね。

私って可愛いヒロインだから周りの女子がヤキモチ妬くのよね。

自分がモテないからって僻むなよ。


カルーイにも頻繁に会いに行ってキャロルからイジメを受けている。と、訴えつつ、私がカルーイを好きになってしまったから悪いのだと、健気に涙(嘘泣き)を見せれば、直ぐカルーイの馬鹿は信じた。

本当にチョロイやつよね〜。


ゲームなら半年後にあるキャロルの誕生日に婚約破棄をするはずだった。

ただ、私がカルーイの全てに耐えられなかった。

だから半年早め、アケルナー公爵家のパーティーを利用して早めの婚約破棄を実行したのだけど、結果は散々だった。


「昔からだが、私の話を全く聞いていないな?はぁ、もういいお前とは縁を切る。お前は戒律の厳しいエディルエラ修道院に送る事にした」


「はぁ?私、まだ未成年なのよ?育児放棄する気⁈ヒロインなのに!何でそんな場所に行かなきゃならないのよ!いや!」


嘘でしょ⁈修道院の名前も変わってる。

確か、ヒロインがバッドエンドになるとリースレア修道院に入るのよ。

なのに何で悪役令嬢のバッドエンド用の、戒律の厳しいエディルエラ修道院に行く事になっているの?


「また、私はヒロイン…か。良い加減にしてくれ。もう、誰もお前を信じていない。よく聞きなさい。お前は戒律の厳しい修道院に行ってもらう。家からの援助は一切しないし、平民になってもらう」


もう、お前に振り回されるのはごめんだ。

そう、ポツリとお父様が私に言う。

何でそんな事言うのよ。

私の親でしょ⁈

ちゃんと成人するで育てなさいよ!


「嫌よ!私はヒロインなの!嫌ったら嫌!ルーイン様に会えさえすれば私を見てくれるはずなのに!」


「まだ、そんな事を言っているのか。……リリーナを逃げださい様にエディルエラ修道院に届けてくれ」


お父様は深いため息を吐くと、私兵の団長と副団長に私を押しつけた。


「エセルティ男爵家の籍を抜くから私の娘ではなく、一平民として扱ってもらって構わん。暴れる様なら鞭打ちしてくれ」


「お父様!何で⁈…お父様!」


お父様のひどい言葉にショックを受ける。

私が鞭で打たれてもいいの?

何で?こんな酷いこと出来るの?











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