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私、言い掛かりを言われましてよ?

異世界バスコンのキャロルの話です。

「キャロル・ガルシア伯爵令嬢!今をもって、婚約破棄する。お前の様な傲慢で、優しさのカケラもない女と結婚など虫唾が走る!エルセティ男爵令嬢のリリーナ嬢の方が優しく、私に寄り添い支えてくれる素晴らしい女性だ。私はリリーナ嬢と結婚する」


「キャロル様すみません。私、カルーイ様を愛してしまったのです。キャロル様には悪いと思っていますが、どうかカルーイ様と別れて罪を認めて下さい」


私達がいる周りだけポッカリと人が引けておりますわ。

ひそひそ、噂されてますわ。

皆様、巻き込まれたくないけれど、興味はあるのですね?

いやらしいですわ。


あらあら?わたくしが婚約破棄……?

あらあらあら、わたくしの罪……?

ビシッと、わたくしに指を刺し、反対側の手には知らない女性の腰を抱きしめながら、叫んでいるのはナルニーナ侯爵のご子息のカルーイ様ですわ。

しかしながら、私の婚約者は別の殿方ですのに、何を勘違いしてるのかしら?

そして、リリーナ?嬢の言っている罪を認めるとは何の事でしょう?


今は、わたくしの後ろ盾をしてくれているアケルナー公爵である、レオナルド様の誕生日パーティーの真っ最中ですのに。


わたくし、と婚約破棄ですか?無理でございます。エルセティ男爵令嬢様、罪と言いましたが何の罪なのでしょうか?私、エルセティ男爵令嬢様にお会いしたの今、初めてでしてよ?」


そもそも、婚約をしていないのですから、婚約破棄など出来るわけありませんわ。

手紙も送った事はありませんし、勿論貰った事もありません。また、プレゼントをあげた事もありませんし、貰った事もありません。

お茶会やエスコートなども、一度としてしたことが無いのにもかかわらず、何をもってわたくしの婚約者と勘違いをしているのか理解に苦しみますわ。


「ひ、酷いです。そんなこと言うなんて!カルーイ様、キャロル様が意地悪いこと言います」


「何だと⁈お前の様な女は理解力すら無いようだな!私が婚約破棄と言ったら、婚約破棄なのだ。お前が今まで私の婚約者でいられたのは、私の温情なのだぞ!親無しの礼儀しらずめ!……リリーナ、キャロルが言ったことなど気にするな。私がリリーナを守ってみせる」


2人手を繋ぎ合わせ、見つめ合っていますわね。

周りが見えていないのかしら?

こんな人が多いところでハシタナイ。


わたくしには、確かに両親がいません。

わたくしが12歳の頃に父方の叔父の策略で亡くなりました。

たまたま通りかかり、助けてくれた冒険者の方がおりまして、私をレオナルド様のところまで護衛をして頂けなければ私は、こうして暮らせていなかったでしょう。

わたくしは、確かに親無しですが、それを恥ずかしいと思った事はございませんし、アケルナー夫妻は私を家族のように扱ってくれます。

私に、礼儀などの教養はアケルナー夫人であるカロリーナ様が教えてくださいました。

本当に、アケルナー公爵夫妻には頭が上がりません。


「ほう、キャロルが、礼儀知らずだと?私の誕生日パーティーにこんな騒ぎをしている君が言うのかね?…キャロルの何が、礼儀知らずと言うのか。逆に聞くが、私の誕生日パーティーにこんな騒ぎを平然とする君達の方が礼儀知らずではないか?」


私が何も言わずに(呆れ返っていて)いたら、アケルナー公爵のレオナルド様が出てきてくれました。

レオナルド様、すみません。


「そ、それは申し訳なく思っておりますが、キャロルが私を避けて他家のパーティーや学園でも姿を現さない為に、確実にいるこのパーティーで言うしかなかったのです。私が悪いのではなく、キャロルが私を避けているのが悪いのです」


カルーイ様はレオナルド様の迫力や、威圧的態度のせいか、及び腰になりしどろもどろに話している。


「ふむ。キャロル、この彼を避けているのかい?」


「いえ。…レオナルド様、わたくしに避ける理由がありませんし、そもそも学園は去年卒業しましたので今は行く必要がありません。他家のパーティーには、招待状を頂いた方のパーティーには行かせてもらっていましたわ」


わたくしは、飛び級したので卒業が一年早かったのです。

他家のパーティーは同じ日にする方も沢山いらっしゃいます。どのパーティーに出席するかは、カロリーナ様とレオナルド様に相談した上で、婚約者と行っております。


「卒業しているだと⁈、キャロル、君は学園でリリーナを虐めていただろう⁈」


「ですから、わたくしは、エルセティ男爵令嬢とお会いしたのは今、初めてですわ。学園を卒業している私に、知らない令嬢をどうやって虐めるというのですか?」


「わ、私がカルーイ様と愛し合っているから、嫉妬して私を虐めたのですわ。取り巻きを使えばいくらでも、虐める事は可能だわ」


取り巻き?私のお友達のことかしら?

嫌な言い方ですわ、取り巻きだなんて。


「ですから、無理ですわ。わたくしのお友達も、卒業していますので学園にはいませんわ」


「う、嘘です!キャロル様は嘘を言っています」


リリーナ嬢が、ワッと泣き出しました。


「嘘?…先程から、根拠もなければ証拠もない事をわたくしにおっしゃっていますが、一体何がしたいのです?」


「私と婚約破棄し、リリーナへの虐めの謝罪を要求する。リリーナがキャロルに虐められたと言ったんだ。それが、証拠だ。根拠は私をとられたくないから嫉妬していたのだろう?」


カルーイ様が、泣いているリリーナ嬢の肩を抱き寄せ、私を睨みつける。


私は、レオナルド様をチラッと見ました。

アイコンタクトで、レオナルド様のゴーサインが出たのでバッサリ言わせて頂きます。


「カルーイ様、わたくしと婚約破棄したいそうですが、無理だと申し上げます」


「なんだt「最後まで話を聞いて下さいまし」 


カルーイ様がうるさいので黙らせます。

やっと、私に気づいた私の婚約者が来ましたわ。

私の隣に付き、そっと私の腰を抱いてくれました。

幸せな気分になったので、遅刻を許してあげます。


「キャロル、遅くなってすまない。父上もすみません」


「よい。後はアルフに任せる」


「ふふふ。わたくしも許しますわ」


さて、役者が揃いましたし反撃致します。


「なんだs「少し黙って下さいまし」


親無しと蔑んだ分、容赦致しませんことよ?












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