雷雲だらけの世界
雷は純水には通らない
雷は不純物だらけの水の中を駆け抜ける
誰にも頼らず歩く稲光は
人混みも描き分けて歩みを止めない
決して話しかけることもなく
決して話しかけられることもなく
誰にも見られず静かに歩き去る
そんな稲妻だらけの駅のホーム
何もない世界と変わらない
誰もいない世界と変わらない
稲妻からすれば
不純物まみれの川と変わらない
その世界しか知らない魚は
わざわざ他へ行こうとする考えもないのだ
何も起きない平凡さ
落雷のような衝撃も何もない
つまらない世界