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人のいないこの星で  作者: K.タロー
二章 大穴の都市
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都市の跡に三者は向かえば

前話の前書きを見た方へ。忙しい時期などはとっくに終わっていましたが、なんだかんだと言い訳を続け、投稿がとても遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。

 三者、特にホーンは疲労のたまった足をしっかりと休ませたのちアダムの言う都市へ向かうことになった。人がいなくなり管理のされなくなった都市や街は当然廃墟となり見るも無残な情景に感じることもある。

そのような地点にはいまだに多くの物資が残されており、それらを少しあされば飢えに苦しむことはないのだ。しかし都市の跡地には機械がさまよっていることもある。そういった懸念を鑑みてもリターンが多いのもまた事実であるが。


 十分な休みを取り三者は再び移動を開始する。少しばかしの距離とは言えども、ビルなどはまだ遠くに見えホーンはこの距離を歩くのかと少し気の遠くなる思いだった。とはいえ目的地も見えない旅路よりははるかにましであると自分に言い聞かせ休んでも足りない重たい足を動かし進み続ける。

今までは思ったこともなかったがアダムという機械と出会ったことで砂の荒野を見るときにいろいろと思い感じるようになった。


人がいた頃の記憶は曖昧になってきているものの、その頃は今よりも植生を感じられていた。木々が集まり小さな森を作り木の下には草木が光を求め日向に生い茂る、菌糸の類いは朽ち木に群がり群をなしていた。しかし今ではその頃の姿の跡はほとんど見られず、自然の力や緑の美しさを感じさせるのは稀に生えたサボテンぐらいで後は枯れ木が地面に刺さっているだけだった。


これは人がいなくなったことに影響しているのか、はたまた星の環境変化が影響しているのかなどいろいろ考えてはみたもものその手の知識などは当然なく結論などはでなかった。

しかし長旅ではこういった暇つぶしにいろいろ考えることが精神衛生上はよく、一人旅が非常に長かったホーンはすぐにこういった物思いふけることも多く、その癖はなかなか抜けなかった。


「何を考えていらっしゃったのですかホーンさん」見かねてかアダムがホーンに声をかける。

「いや、昔はもっと植物が生えていた気がしたんだよな。」

「はい、人間は環境維持に相当の力を入れていたようです、自分たちがした行いの積み重ねが原因で自然は壊れたと考えていたようで。この現状を見れば当たっていたと言えるのかもしれませんね。」


確かにそういわれればそのような気もしたが、それだけのようには見えなかった。なぜかという具体的な理由はなかったが、植物の美しさ、そしてどこからか感じる力強さは人間の力程度で影響を受けるようには見えなかったからだ。

通り過ぎる中に生える小さなサボテンにも力強さを感じ取れたのだから。



「見てください、都市が見えてきました。もう少しですね。」しばらくが立ってアダムがそういった。

不思議と疲れてしまうとうつむきがちになってしまうようでアダムの言葉を聞くまで都市の姿に気が付かなかった。

見上げればそこには大きなビル群が見えた。年月により劣化はしているもののいまだ高くそびえたつ外観が見え。下を向いていたとは言え存在に気付かなかったのが不思議なほどに目立っていた。


だが高いビル群などは都市跡に行けばどこでだろうとみることができる。ホーンが特に驚いたのは都市の内部に入ってからだった。

「これは...」

「大きな穴ですね。地殻変動などで崩落したのでしょうか?」

言葉を失うホーンをよそにアダムは冷静に分析する。

地面には大きな穴が開いていた。直径は50メートルを超えているように感じ、また深さに関してもかなり深いものであった。そこを覗くとがれきが散乱しており当然ではあるが年月によりできた穴であることがそのことからもわかった。

落ちたらまず助かることはないと思うとホーンは足がすくんだ。


「アナ見るより食い物サガす、そのためにココにきたんだろ。探すぞ」

あまりの大穴に現実味を感じずに穴を見下ろしているとトークが声をかける。

「ああ、そうだな。」ホーンはそう返事をすると食料を探すため廃墟となったビルの中に、アダムは医療記録などを探すため病院跡をそれぞれ探しに行く。


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[一言] また、続きが読めて嬉しいです。 これからも更新をお願いしますね。
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