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人のいないこの星で  作者: K.タロー
一章 一人と一羽と一体と
1/19

ある者はあてもなく放浪する

思い立ったものを書き始めたものです。正直進む先は想像できません。矛盾や無茶苦茶な流れになることは想像に難くありません。見ている方がいるならこんなものかと、軽く流してくれると幸いです。

 太陽が真上に上り始める中、砂が舞う廃墟となった街をある者は歩く。彼は歩き疲れた足を休めるために建物の影に腰かけた。何気なく足元を見ると日に焼けた新聞紙が傍に落ちていることに気が付く。

 彼は日ごろ何かを読むといったことはしなかったが、休憩の暇をつぶすためにちょうど良いと考え新聞を開き読み進める。


『蚊の暗澹あんたんからの解放!伝染病の苦しみからサヨナラか?』彼はそんな見出しに目を止める。

『温暖化により生息地域を拡大した蚊は広い地域で感染症を人間にばらまいていた。しかしレフラー研究所が以前より開発していた特殊駆除剤が遂に完成したと言う情報を入手した。この特殊駆除剤は非常に広範囲の蚊を駆除することができ、それによる人体及び環境への影響は一切ないそうだ。公式の発表は今だにないが発表は時間の問題だろう。』

 彼はその記事も含めいくつかの記事に目を通し時間をつぶしたが特に有用に感じる記事を見つけることはなかった。もちろん本来の目的である休憩の暇をつぶすという目的は十分果たされたことだろう。


 休息を終え歩き進んでいると砂嵐があたりを包み始める、砂嵐は激しさを増し錆びた車のドアがキシキシと音を立て外れそうになる。

彼は老朽化した建物の中に入るのが嫌ではあったが、このまま外にいつづけては危険であると考え適当な建物の中に入ろうと建物の扉を押し開ける。中に入り建物内を見渡す、古い機械を取り扱う店のようでかなりあれているだったようだ。

 しかし、年数経過によるものと言うより何者かが荒らしたような形跡があった。機械の画面の液晶はひび割れ、古い機械を置いていた金属製の棚は倒れ機械のパーツはあたりに散乱していた。彼はレジを確認しなかったが、確認していればおそらくレジの中身は空になっていただろう。


 彼は砂嵐が引くまでの時間、建物内で有益なものが見つかることを期待し、漁ることにした。商品である機械には興味がなかったので、何か役立つものがあればと裏手へ回る。

 しかし彼が望むものはない、むしろそこにはいつも避けているものがいた。金属の体、物言わずに奇妙な信号音を放ち、自分の命を奪おうと動く危険な機械。直接見たわけではないが音を聞き彼はそこにいると判断する。彼はそばにあった、おそらく棚の足だったであろうパイプを握りしめ息を殺す。気づかずにそのまま外へ出てくれればと彼は頭の中で祈り息を殺し続ける。


 しかし機械は彼の方へ近づいてくるのが分かった。

 彼は頭の中で思考を巡らせる。足音が二本の足から聞こえるものであると判断する。自分が知る限り二本足の機械は人型だった。自分を殺そうとしてくる機械は人型であった場合、右手に火器や刃物、鈍器がついている。右腕の接続部に持っているパイプを上手く突っ込みひねりを入れれば右腕をねじり切ることができるかもしれない。


 彼は決断した。機械が近づく、ギリギリまで息を殺し続けタイミングを待つことにした。一歩また一歩と近づく音が聞こえる。すると彼は今までの経験からは想像もできない音が聞こえた。


「こんにちは、そこにいらっしゃるのは分かっています。信用できないのは重々承知ですがお話ができないでしょうか。私は疫病対策局支援ユニットアダムの13号機です。」物言わぬはずの機械はノイズの混じった合成音声でこちらに語り掛けてきた。その声は機械であるにもかかわらず抑揚がありどこか優しさを含んでいるように彼は感じた。

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