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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㉛

 私が学園に入学するまでに出来ることを頭の中で固めていく。学園に入学したら今よりは時間がなくなる。今も淑女教育は進めているけれど、学園に入学していない分、時間に余裕があるのだ。今のうちに出来ることをやっていかないと。



 ラス兄様も学園に入学してしまったというのもあって、屋敷の中は少しだけ寂しい。お父様はお仕事で忙しくて、私は大抵一人でのんびりしている。学園の入学までにもっと頑張らなきゃって思うけれど、焦りすぎないように気を付けている。



 ウーログとは互いに時間があう時に遭っては色んな話をしている。ウーログは少しずつ男らしくなっていて、かっこよくなっている。ウーログと会うとドキドキする。そして嬉しい気持ちでいっぱいになる



 ……デル兄様も、お姉様にそういう好意を抱いていて、お姉様もそれを喜んでいたのだけど。今はもうデル兄様とお姉様の間には距離が出来ている。



 お姉様の書いていたノートに載っていた主人公の女の子。その情報がお姉様のノートには名前は書いていなかったもの。それらしい人を探せないかと、動いてはいるけれど見つけられない。ノートに名前はなかったけれど、伯爵家の庶子と言う事は書かれていた。名前が書かれていないのは、その乙女ゲームで名前をプレイヤーで考えれるようになっていたらしい。

 なので伯爵家の庶子ということしか分からないようだ。



 ……うーん、私はまだ社交界デビュー前だし伯爵家の庶子のことを勝手に調べることも出来ないし。……お父様とかデル兄様に乙女げぇむのことを言ってみる? ああ、でもそんなの普通に考えたら信じられないものだし。ここが空想の世界だと思い込んでいるからどうにかしなければならないぐらいはいって探してもらうのもありかもしれない。



 でもその主人公と呼ばれる女の子は普通に今は庶民として生きているはずだし、まだ何も起こしていない状況だものね。学園に入学したら問答無用で出会うだろうし、それからでもいいかしら。そもそも本当にこの世界がお姉様の思っている通りに乙女げぇむの世界だとしても人の人生はその人の行動によって変わるから、その主人公が本当に学園に入学していくかも分からないし。




「デル兄様やラス兄様も攻略対象なんだよね……。二人とも同じ相手を好きになったりするんだろうか」



 デル兄様もラス兄様も私にとって大事な存在だ。

 兄のように慕っている。



 乙女げぇむは異性を落とすげぇむということなので、デル兄様とラス兄様の両方が主人公に惹かれることもあるだろう。デル兄様はお姉様と心が離れているし、婚約解消も出来るだろうから上手く立ち回れば何も問題はない。まぁ、流石に婚約者がいる状況で異性と親しくするのはあれだけど。



 ラス兄様の婚約者もお父様が一年以内には決めるっていっていた。ラス兄様との相性も考えて婚約者を決めるって言っていたから、その場合ラス兄様はその婚約者の方と仲よくしてくれればと思う。婚約者同士は仲が良い方がいいもの。



 ……主人公が誰と恋愛しようと上手く立ち回ってくれるのならば構わないけれど、ちゃんと周りを見て行動が出来る子だといいな。驚く事に多くの異性に好かれて、皆と幸せになりましたっていうエンディングも乙女げぇむにはあるらしいけど、それは流石に現実的に考えて無理だろう。そんな状況に王侯貴族の子息を追い込んだらその主人公は排除されて終わりだし。



 それにしても知れば知るほど乙女げぇむの世界というのは、非現実的だ。



 恋は人を狂わせるっていうけれど……。恋をして、お姉様を断罪するほど乙女げぇむの世界では殿方は狂う。そういうことになることはありえないと思うけど、もし攻略対象と呼ばれる人が恋に狂った場合のことも考えておかないと。そんなことになったら国があれる原因になるもの。



 入学式までにあらゆる可能性を考えて、その可能性をつぶせるように動いて行かないと。お父様に攻略対象と呼ばれる人の婚約者たちとお茶会とかできないか頼んでみよう。異性と会うとあらぬ疑いをかけられたりして無理だけど、そういう風につながりを作って仲よくすることは出来る。仲よくして居れば何か変化があった時に知ることも出来るだろうし。



 ……あとは王宮へお姉様の態度の報告はいっているけれど、それで王宮がお姉様にどんな判断を下すのか。デル兄様の話では、王家の侍女もお姉様に働きかけをしてくれているらしい。ただ、効果はないらしい。



 私はお父様に卒業式に催しはしたいといって、許可はもらったけれど王家にも話しておかないと。お父様から話してくれているかもしれないから確認してから、デル兄様に手紙を書こう。お姉様の様子があまりにもおかしすぎたら王家の方でお姉様に対処をするかもしれないし。







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