親子
今回は普段より少し長めです
ドアを開けた人物は僕の知らない男性で、もちろん医者でもなさそうだった。
僕はその男性に向かい
「あの~、どちら様ですか?個人の病室なので部屋間違ってると思いますよ。」
と言った。すると男性はにこやかに笑った。
「いや、間違ってないよ。僕は君に会いに来たんだ。」
僕に会いに来たというからには、どこかで会ったことがあるのだろうが、
その男性を僕はまったく覚えていなかった。
キョトンとした顔をしていると、
僕の顔をみて男性が納得したようにポンッという音と共に手を鳴らした。
「あっそうか!君は僕のこと知らなかったね!失礼した!確かにいきなり変なオッサンが病室に来たら何だコイツってなるよねっ。じゃあ軽く自己紹介するけど、僕の名前はベルゼブブ。気軽にヴェールと呼んでくれ!」
ベルゼブブ?有名な悪魔の名前だ。ゲームとかでよく登場するから覚えている。この人ちょっとオカシイ人かな?とも思ったが、そういえばさっきの手紙に暴食って書いてあったことを思い出した。
「あの!この黒い手紙ってもしかして...」
その続きを言うよりも先にベルゼブブと名乗った男性は答えた。
「あーそれ?その手紙を書いて出したのは僕じゃないけど、君を暴食に選定したのは僕だね。」
やっぱり、この手紙の関係者だったのか。
「この暴食って何!あと、星降りの儀って?なんで僕が選ばれたの??」
僕はあまりにも聞きたい質問が多すぎて子供のように同時にいくつもの質問をしてしまった。
その質問の連続ににベルゼブブは困ったような顔を浮かべた。
「まあ、一応説明はするから、そこは安心して」
そういうと、ベルゼブブは話を始めた。
「まず、星降りの儀についてだ。
星降りの儀っていうのは、不定期に開催されるイベントみたいなものなんだけど、
その儀に最後の一人まで勝ち残ることができたら、なんでも1回だけ願い事が叶います!やったね!
このなんでもっていうのは、あんまり無茶な願いじゃなきゃ基本的には叶うって感じで、
例えば人を生き返らせることや、逆に大量虐殺とかもできちゃったりなんかします。
出来ないことは、世界の構造を作り替えたりするようなことかな。
例えば、あらゆる生命体から死を取り除くとか、重力を逆に働かせるとか。
そんなことはできません。ここまでOK?」
すでに、なんだかよくわからなかったが、意味は理解できた。
「とりあえずなんでも願いが叶うイベントっていうのは理解した。」
「まあそんな感じで理解してくれればいいよ。
んで次に進めるけど、その儀を行っているのが僕たち大罪の悪魔なんだ。
その悪魔が選定した人間に魔力を与えて、その人間の能力を覚醒させるんだ。
その関係を僕たちは親子と呼んでるんだ。んで、僕は君を暴食の子に選定した訳よ。
まあ誰が呼び始めたのかはわからないけど。
そして、覚醒した人間を倒して最後の生き残りになると勝ち。
ルールは単純でしょ?まあ僕たち悪魔は見てるだけで戦わないんだけどね。
ここまでOK?あ、質問あっても最後にしてね!どこまで話したかわからなくなるから。」
んー初めから良くわからなかったけど、また更に意味わかんなくなったな。
「とりあえず、バトルロワイヤルするらしいのは分かった。
」
「ちなみに、君を選んだ理由としては、まあ強いて言うなら素養かな?暴食としての」
え、何暴食としての素養って?
安直にデブってディスられてるの??
「あと、たぶん君が聞きたいだろう、事故当時のことだろうけど、あの黒いガルーダは別の覚醒した人間の能力によるものだよ。たぶんルシファーちゃんの子かなー。その子と戦うときは気を付けな~。多分めっちゃ強いから」
あのガルーダ能力なの?強すぎない?勝てるわけなくない?とゆうか、参戦が前提になってない??
「あの~、参加拒否したいんですけど~。」
僕がそういうと、ベルゼブブは両手で大きく×を作った。
「ブッブー、残念!拒否権はありません!なぜなら拒否したら君は死にます!」
「嘘!?」
「ホントだよ。だって君は建設現場で即死したんだから。」
嘘だ。そんなはずはない。現にこうして生きている。
「今は生きてる!」
「そう、今はね。僕が君が貫かれた瞬間に魔力を与えたから。その魔力が無くなったら死ぬよ。だから君は戦うしかないんだよ。戦って自分以外を皆殺しにするか、戦って殺されるか、逃げて死ぬか。どれでもいいよ。僕は今回の儀で負けても次の儀まで待てばいいだけだし」
この人の話は全て非現実的だ。
現実的に、断ったら死ぬなんて考えられない。
しかし、僕は黒いガルーダを実際に見た。だから、この人はホントのことを言っているんだと思った。
どっちに転んでも死の選択。
逃げたら死亡。戦っても多分死ぬ。
なら...僕はなんかチョットかっこいい方を選ぶ!!
「戦うよ。それしかないんでしょ?」
「君は戦いを選ぶか。よし、じゃあ今日から僕は君の父親だ!なんでも言ってくれ、父親にできないことはあんまりないぞ!」
まだ、一気に捲くしたてられて説明されただけで僕はしっかり理解してない。だから最大限情報を得なければ・・・
「じゃあ、質問なんだけど・・・」
「あっそろそろ行かないと。あ、君の能力はたぶんもう目覚めてるはずだから自分の能力の研究をちゃんとしなよ!」
「え、さっき父親を頼ってくれみたいなこと言っといてコレ?絶対質問の返答がめんどくさかっただけだろ!」
そう僕が喋っているうちにベルゼブブはすでに遠くへと行ってしまった。
遠くに行ったベルゼブブは心の中で建助に謝った。
『ごめんね。別にそのまま逃げても治ってるから死なないんだ。』と。
とりあえず4日間、合間合間に書いてきましたが
なるべく面白いものを書きたいとは思っていても、書いてみるとなかなか難しいですね。
感想等ありましたら是非お願いいたします。
とりあえず、拙い文章でしたがここまで読んでくださってありがとうございます。
これから、続けていけるかは分かりませんが
なるべく完結させたいとは思っておりますので是非皆さまこれからも
読んでくださればうれしいです。