星降りの儀
口論が終わると皆疲れ果てた様相だった。
ベルゼブブは心の中で、よしっ!今ならいけると思い、本題に移った。
「じゃあ、星降りの儀を開始しよう」
そう言い放つと、みな一斉に立ち上がった。
「あっそういえば、儀式の祭壇ってどこにあんの?」
ヤンキーがそういうと、ルシファーがあきれたような顔をした。
「隣の部屋にありますわよ。そんなことも知らないのですわね。これだから強欲なだけの馬鹿は....」
「んだとコラッ!!てか近ぇな」
「まぁ、わざわざ遠くに行くのもめんどいしねぇ。アスモデウスが一晩でやってくれましたよ。」
「る、ルシファぁちゃんの頼みなら断れないからね!」
とルシファーのほうを見てアスモデウスが決め顔をした。
儀式の間に着くと、7つの悪魔の様な像とその中心に星を模した像が置かれており、
その下には魔法陣のような線が描かれていた。
そしてその魔法陣と像の奥には祭壇があり、祭壇が生贄を欲しているように見えた。
「へぇ、これが今回の祭壇か、意外と悪くない出来じゃねーか。」
ヤンキーはそういうと一つの悪魔の像の前に立った。
続いて他の6人も別々の悪魔の像の前に立ち右腕を前へと伸ばした。
「それじゃあ、始めようか」とベルゼブブがいうと、
皆が一斉に伸ばした腕をナイフで切りつけ、滴る血が悪魔の像が持っているグラスに注がれる。
グラスに満タンに血が注がれると、各グラスから少しずつ中央の星を模した像に血が流れていくのが見える。
中央の像が完全に赤く染まった。
「我は憤怒のサタン。血の盟約を此処に刻む者。」
というサタンの言葉に続くように、皆一様に儀式の言葉を言い始めた。
「我は暴食のベルゼブブ。血の盟約を此処に刻む者。」
「我は強欲のマモン。血の盟約をここに刻む者。」
「我はアスモデウス。血の盟約をここに刻む者。」
「我は、怠惰のベルフェゴール。血の盟約をここに刻む者。」
「我は傲慢のルシファー。血の盟約をここに刻む者。」
「我は、羨望のレヴィアタン血の盟約をここに刻む者。」
そして、続けてサタンが喋る。
「我らは星を堕とす者。我らは大罪。この世のすべての邪心を司る。
我らの血をもって顕現せよ!!閃光七星。」
そう言い終わった瞬間。中央の星を模した像の形状が変化し、
6つの極小の星が人型の像を廻るように宙に浮遊した。
数秒後
「終わったか」
そうヤンキーが言い先ほどまで張りつめていたいた緊張感が消えた。
「アスモデウス、セリフ間違えた。」
緊張感が抜けたせいか、儀式までずっと寝ていたベルフェゴールと名乗った幼い少女が喋った。
「あ、バレてました?仕方ないじゃないですか!緊張したんですから。」
「一人だけ大罪名言ってないんだからそら気づくわ!」
とアスモデウスを皆がいじっている中、ルシファーが疑問に思っていたことをベルゼブブに聞いた。
「そういえば、さっきヴェールさんは選んだ子のお話に参加されてなかったですわよね?
どんな子か気になりますわ!」
そうルシファーが尋ねると、ベルゼブブは若干困った顔をして言った。
「僕の子かい?僕の子は....」
今日は1話更新です