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第76話 尾張の悪役令嬢様との思い出(59)
「竹千代~。あんたは~、何でいつもあんなに弱いの? こんな様子だとアーシの天下盗りの役に立たないでしょう! アーシは足利幕府を倒し、根絶やしにして京に織田家の御旗を立てるのが夢なの! それなのに、この役立たず! 弱虫! 意気地なし! くそ丁稚がぁ~!」
まあ、こんな感じでさ、《《尾張の悪役令嬢さま》》は、俺が一番年下で身体も小さいことをわかっている癖に無理難題……。
そうアイツは阿保だから幼少期の俺に対していつも無茶苦茶な戯言を告げてきては、嬉しそうに俺の小さな身体へとパチン! パチン! と鞭で本気で叩いてきた。
だから俺の小さな身体……。
そう、《《尾張の悪役令嬢さま》》の小姓との素手でのタイマン勝負や! 竹槍や木刀での模擬戦闘で受けた俺の小さな身体の傷が更に倍! 倍の倍で! まあ、《《あの頃》》はいつも増えていくから。




