第4話 別の世界に逃避行? (11)
そうそれが、俺が最初に家のカミさんから聞いて、思った事なんだよ。だってさ、主神オーディンといっても、俺自身会った事もないし、話した事もない訳だからね。
でもさ、只一言述べるとしたら。家のカミさんが、その名前を口に出した時に顔色を変えて──震え怯え始めたのだけは、見ていても手に取るように分かった。
実際さ、今もね、俺の胸にしなだれ掛かって、震えながら怯えているから。フレイヤが少しでも安心して落ち着けるようにと。強く抱き締めたのだが……
でもね、家のカミさんの様子……。特に怯え方は異常だから、俺自身もどうしても気になるからね。再度カミさんに、聞き直す事にする。
「あのさ、フレイヤ、もう一度尋ねるけれど? 主神オーディンって誰よ?」
俺の胸で怯えている、カミさんの華奢な身体を両手で掴むと──慌てて身体を起こして、フレイヤの美しい紅玉の瞳に向かって俺は話掛けた。
するとさ、家のカミさんは、俺から目を反らして。
「えっ? いや、あの……」
と、だけ答えると俯いてしまったよ。
「“えっ、いや、あの” では、分からないだろ、フレイヤ? これだと俺は、お前が何を言いたいのか、全然意味が解らないよ? だからちゃんと説明をして欲しい……」
俺さ、ついついとムキになって、カミさんの身体を両手で揺らしなが延べたよ。だって今の調子だと、フレイヤが何を延べたいかも解らないし。何に怯えているのも解らないから、このままでは、対処のしょうもないから。
尚更イライラするから、ついついと強目の口調でモノを申したんだよ。
だってさ、惚れてしまったし、俺の嫁でモノだから。……ついついと、ついついとだよ……。




