負け組くんの世界征服計画????
そうして状況が落ち着いたところで、俺はこれからのことを切り出した。
「ところでベルリーナよ。とりあえず召喚契約は終わったが、これから俺は何をすればいいんだ?」
「そうですね、今の魔界はいつ人間族にやられるかも分からない危険な状態であるということは先程お話ししましたよね」
「あぁ、人間族に魔界七将が封印されて、魔王軍もボロボロな状態ってことは分かった。ただ、このままだと、勇者達にすぐやられるかもしれないんだよな〜」
俺はクラスメイト達にやられるとか勘弁して欲しいな。だからといって俺は人間族を滅ぼすっていうのも結構辛いことだと思うな〜。
「しかし詳しく言えば、我々の本当の敵は人間族では無く、それらを操る天使が全ての元凶なのです。」
「・・・・は?」
今この子天使って言った?天使ってあれだよね、神様の使いとかで人間とかのサポートキャラとかだよな。それが敵ってある意味、悪魔対天使って感じだな。ただ、人間操ってるってヤバくない...
「えっとですね、天使は我々魔界とは長年戦ってきた相手なのですが、お父様の代の時、奴らはあろう事か人間族を完全にマインドコントロールし、人間族を使って我々魔界に乗り込んできたのです。」
「いや、ちょっと待て。なんで天使が人間族操る必要があるんだよ。それに、魔界七将がやられるほど天使は強いのか?」
「はい、天使は魔界七将と並ぶ程の力を持っています。それが12体いるために、十二天使と読んでおります。それに、人間族をコントロールした理由としては、彼等を使徒にするためだと思われます」
天使ってそんな強いのかよ!!!魔界七将は7体しかいないのに天使12体とか駄目だろ。そら魔界七将やられるわ!!!
「ただ、人間を使徒にするってなんの意味があるの?」
「人間を使徒にすることで、人間は通常の1億倍にまで強化されます。それに加えて、天使の完全なる下僕となります。それによって天使の加護まで得るため、通常の人間が魔界七将クラスの力を持つことになります。それを人間族全てが使徒化した際には、この世界は完全に天使に乗っ取られてしまいます。そうなるのを何とか阻止しなければいけません!!!」
おっと、だいぶやばいんじゃないですか。というか、アグラヴァイアスくらいの奴らがうじゃうじゃいるとか、どんな地獄ですか。魔界とか言うけど完全にやることは、世界を天使(悪魔)から守ろうとしてるっていう、やること真逆なんだよなー。
「とりあえず、それを阻止するために俺は召喚されたってことか。たださ、天使がそんな世界征服して何になるんだ?というか、神は何やってるんだよ!!!」
「翔希様、この世界に唯一神なんてものは存在しません。今まさに天使が、その神になろうとしているのですから」
そうなの、つまり、この世界は今、天使による神決定戦してるってことじゃん。そんなのに巻き込まないでくれよ。
「とりあえず俺たちはその天使を全員倒せばいいのか?」
「ええ、天使が世界に害悪をもたらしているために、何とか倒せればと思っております。その為にも、あなた方に力を貸して頂きたいのです。どうかよろしくお願いします」
なんか魔界を救うって感じから世界そのものを救うっていう感じになっちゃった。急に不安になってきたわ。
「ど、どうしました翔希様?」
「なんだご主人様、具合でも悪くなったのか?」
「それはいけません。すぐに私が治しますね!!!」
え?何を治すんですか?ちょ、ちょっと、怖い顔してにじり寄ってこないでくれない!!!
「こ、怖いから、にじり寄ってくるな!!! ま、待て待て待て!!! 別に具合は悪くないから!!!てかなんでいきなりこうなった!!!」
「本当に大丈夫ですか? 言ってくださればいつでも癒して差し上げますよ!!!」
なんだこの天使。というか、この子達まだ会って数時間程だよね。ちょっとデレすぎてはいないか?ギャルゲーとかでも流石に最初っからデレてるって、どんなクソゲー展開だよ。好感度は自分であげてこそ愛着が湧くもんだろ!!!
「というかさ、2人のステータスってどうなってるんだ? 」
「それでしたら、翔希様のステータスから見ることが出来るはずですよ」
「そうなのか!!! よし、さっそく、ステータス」
そう言ってステータスを開くと、契約魔法の欄に2人のステータス欄があった。ちょっとドキドキしながらそのステータスを開くと、オレは一瞬目を疑った。
アーサー・ペンドラゴン(使い魔)
レベル:1
天職:伝説の騎士王
筋力:680000
敏捷:590000
魔力:98000000
知力:41000
幸運:30000
才能:カリスマ(暴虐)、聖剣術(極)、奇跡を掴む力、
言語理解
US:聖剣解放、妖精の加護、円卓の騎士王、王の中の王
契約者:白野翔希
好感度:∞
契約内容:奉仕欲
ジャンヌ・ダルク:(使い魔)
レベル:1
天職:伝説の聖女
筋力:760000
敏捷:360000
魔力:86000000
知力:1000
幸運:30
才能:啓示、カリスマ(聖)、主の導き、言語理解
US:主の御業、主の加護、オルレアンの聖乙女、断罪の業火
契約者:白野翔希
好感度:∞
契約内容:奉仕欲
(尚、召喚契約の際の才能は3個までしか使えない)
「うん、イカレてる」
俺はこれを見て無心で声が出てしまった。英雄ってこんな強いんですか、少しの制限だけであとチートじゃん。ちょっと衝撃的で固まってしまった。
「そ、そのさ、この奉仕欲って何?」
「それは私たちがご主人様に求めた契約内容のことだ。ご主人様はこれを受け入れたからこそ、私たちは召喚に応じることが出来たのだ。だから奉仕させろ」
「理屈が不明!!!」
奉仕って言っても何故この王様達はそんなことを求めているのかの理由は俺には分からない。ただ、召喚に応じた理由は分かったし、俺は無意識にもこの2人を受け入れたってことなのか。
「まぁ、理由はともかく俺が2人を受け入れて召喚したんだし、責任もって奉仕されますよ」
「そうか、そうと決まれば、さっそく」
「ちょっと待ってください!!! そういうのはあとにしてください」
とベルリーナがちょっと焦りながら言ってきた。そういえば話の路線がいきなり変わっちゃった気が... ほんとにすみません。
「それに、私とも契約していただかなければいけないのですから」
「・・・は?」
なんでベルリーナと契約が必要なんだ? なんかに必要なことなのかな? そう思い俺はそれを尋ねてみた。
「なんでベルリーナとも契約するんだ?」
「それはですね、この世界にいる各地の王、全てと契約したときに、この世界の王となることが出来るからです」
この世界の王!!! ってことはある意味世界征服じゃね!!!俺は気持ちを高ぶらせていた。
「急な展開だな。ま、まぁこの世界の王ってことは世界征服ってことでもあるよな。なんだか魔界の本職らしさが出てるな」
「そ、そういう意味ではなくもないですが、この世界の各種族の王と契約することで、天使とも渡り合えますし、何より国交を結べるということですので、是非ともして頂きたいのです」
「それは重要なことだな。国交というのはないよりはあった方がいい。特にこの世界のように、世界の危機となれば尚更だな」
なんだ、世界征服じゃなくてみんなで協力ってことの意味での契約かよ。まぁ今更拒否なんてできないし、やるしかないか。
「わかった、どんな意味であれ、一番の目的は天使を倒すことだしな。その王をみんな契約して俺の従者にすればいいんだろ!!!」
「はい、従者となれば好感度に応じて、無限に強くなることが出来ますし、とても重要なことです!!! それでは翔希様、さっそくお願いします」
そう言われたあと、もう一度本を貸してもらい、契約の詠唱を始めた。
『我、汝を求めし。汝、我が僕として我を受け入れよ!!!』
『Yes.My Master!!!』
そう言うとベルリーナの足元に赤い魔法陣が現れ、一瞬ひかり、すぐに消えてしまった。
「今ので契約完了か?」
「はい、多分ですが。翔希様のステータスに乗っていませんか?」
「ちょっと待って」
俺はもう一度ステータスを確認してみると、ベルリーナの欄があり、契約が成立していた。
「あったあった。ちゃんと契約出来てた」
「それは良かったです。あ、ステータスは見なくても大丈夫ですよ、えぇ、見ないでくださいね!!!」
そう言われると見たくなるのは俺だけじゃないはずだ。そう思いベルリーナのステータスを開いてみた。
ベルリーナ・レングス(16)
レベル:71
筋力:73950
敏捷:102000
魔力:8900000
知力:260000
幸運:1000
才能:全魔法使用可能、無詠唱、全魔法耐性、全状態異常耐性、重力魔法
US:魔竜降臨、破滅の祈り、魔王再誕
契約者:白野翔希
好感度:????
契約要望:深愛欲
この子もまた、バグってやがった。さすが魔王様。ただ、要望に深愛って、愛されたいのかな。普通に可愛い要望でちょっと嬉しい。ただ、好感度が????ってどういうこと。
「〜〜〜〜あ、あまり見ないでください翔希様」
やばい、めちゃくちゃ可愛い。危うく惚れかけた。過去のトラウマなければ絶対告って振られてた。あ、振られちゃうんだね。
「む〜、中々に強敵がこんな近くにいました。翔希さん、今すぐ私と愛を確かめましょう!!! そうして2人で強くなりましょう!!!」
「何の愛を確かめるの!!! 」
「なに!それなら私も確かめるぞ。ご主人様、私に全力で奉仕(意味深)させろ!!!」
「なんか余計なの入んなかった!!!」
「あ、愛を確かめれば強くなれるのですか。そ、それなら、恥ずかしいですが私も・・・」
そうして俺はとても情熱的な夜を強制的に迎えられた。君たち今日あったばっかだよね!!! お兄さん心配だよーーーーーー!!!