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万年負け組くんの異世界努力記  作者: ドロップアウトボーイ
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プロローグ

『勝てば官軍、負ければ賊軍』


誰もが一度は聞いたことがあるような歴史の名言である。俺こと白野翔希はこの名言が嫌いだ。何せ未だ現在まで根付いているからだ。この現実世界には『勝ち組』と『負け組』という二つの人間に別れている。実に下らないと思うが、俺が過ごしてるクラスはそれがとても強く現れている。当然勝ち組は世にいう『リア充』という奴で、負け組というのは大体オタクなどの陰キャが言われる。俺はもちろんオタクであるために、負け組だ。それも生粋の負け組だ。思い起こせば、小学生の頃、運動があまりにもできなかったために虐められた。俺は悪いことを何もしてないのに悪者にされ、先生に叱られたりもした。中学の頃は、好きな女の子が出来たから、思い切って告白しようとしたら、ストーカー扱いされて更に酷いことになったりもした。あと少しで本当に犯罪者にされるとこだった。ほんとに酷かった。告白する前に言われるなんてショックだったよ。まぁこれでもメンタルは強い方だからこそ、虐めなんかには屈しなかったけど、友達は全くできなかった。少し長くなったが、今、俺は高校3年生。なんでこんな馬鹿なことを考えているかっていうのは俺のクラスメイトが問題なのさ。とりあえず、もう家に帰りたいが、それも叶わないから仕方なく教室のドアを開けた。教室に入ると誰も俺には気づかないらしく、俺はゆっくりと自分の席についた。


「おはよう白野君。いつもこの時間だね、でももう少し早く来た方がいいんじゃない?」


そんな感じでとろとろしてたら、隣から話しかけられた。


「あぁ、おはよう弦岡さん。別にゆっくりと歩いてきてるだけだしね、早く来る意味は無いし、毎日クラスに入るだけでも憂鬱なんだよ、俺は」


「フフ、まぁ白野君にはこのクラスの雰囲気は似合わないだろうね。私も少々苦手ではあるけど、優花達がいるからね」


「弦岡さんは友達がいるからでしょ。それにこのクラスはちょっと偏りすぎだよ」


そう、実際偏りすぎだ。今、俺と話してるポニーテールの女の子は、弦岡彩葉。弓道で有名な弦岡家の御息女で、弓道の成績は全国一位である。更にうちの高校のが中でも四代美少女と言われるくらいの美少女だ。実際話しかけられるとドキドキしてしまうのは男の性というものだね。俺から言わせればツンデレ系美少女だ。


「あ、白野君!!! おはよう!!!」ドン


「ちょっと優花!危ないでしょ。ごめんね。それとおはよう」


「あ、あぁ。別に何ともないから気にしないでくれ。それと、おはよう」


今、俺の机に突撃しながら挨拶してきた女子が、宮野優花。黒髪ロングの正統派美少女で、サッカー部のマネージャー。とにかく優しく、女神的な女の子で、うちの高校の四代美少女の中でも一番人気の女の子だ。

そして謝りながら挨拶してきたのが北条明日香。黒髪ショートの剣道少女だ。実力も全国一位とこれまたバケモンだ。もちろん四代美少女のうちに入ってるが、面倒見のいいお姉ちゃんタイプだから、女子に人気がある。


「はぁー疲れた!!! みんなおはよう!!!」ガラ


「おう、おはよう!!!」


「おい和也、今日は朝練だぞ。サボるなよ」


「すまんな海斗、次はサボんないようにするからさ!!!」


「たく。あ、彩葉達もおはよう。優花は先に戻ってたんだな」


「うん。先生がもういいよって言ってたからね。」


「おはよう海斗くん」


こうやって爽やかに話してるイケメン達こそが俺のいう勝ち組だ。妬みにしか聞こえないだと、言うな。分かってるから。そうそう、このイケメン達の名前は、

四ノ宮海斗と、天堂和也。四ノ宮は黒髪の正統派イケメンって奴で、性格は王子様基質だが、この美少女達が絡むと人の話を聞かなくなる面倒な奴ではあるが、よくモテる。もう1人のイケメン、天堂は茶髪のチャラ男だ。性格もチャラいが、四ノ宮を止めれる唯一の奴だ。女子からはちょっと悪い系だからウケがよくとてもモテる。この二人は聞いての通りサッカー部のダブルエースって奴だ。しまいには頭までよろしい。神はこいつらにどんだけ与えたんだよ...


「あ!海斗おはよう!!! ねぇ今日サッカー部練習あるの? ないならみんな遊びに行こうよ!!!」


こんなふうに絡んでるのが、最後の四代美少女、浦岡恵果。茶髪、ピアスと化粧というギャルっぽいが素は可愛いと、チャラい男子だけでなく、気軽に話せるとして、男女ともに人気の女子だ。まぁ俺は苦手に決まってるだろ。もう勘違いは勘弁だ!!!


「いや、練習あるだろ。それに剣道部も練習があるんだから無理だ」


こう言ってなだめてるのが飯田健太。剣道部の主将で全国二位の実力を持ってる。メガネかけたインテリイケメンという定評がある。

これが勝ち組の面子なのだが、見る限り完璧にどこぞの勇者パーティにしか見えない。こいつら週に何回告白受けてるんだよって、男女ともにジャグリングしてるよ。まぁこんな一軍勇者パーティがいたら、他の人たちは必然的に二軍、三軍になるさ。それでもうちのクラスは陽キャラばかりであるため、必然的に陰キャラの俺は浮く。俺はクラスのクジ運すらも無かったという感じだ。毎日こんなリア充の巣窟にオタク陰キャを投入するなど、先生たちは頭がイカレてるんじゃないか?


「おはようございます。もうチャイムもなったので席に着いてくださいね」


「おはよう真奈ちゃん!!!」


「真奈ちゃんじゃないです!!! ちゃんと塩野先生って呼んでくださいよ〜」


うちのクラスの担任、塩野真奈先生だ。科目は現代文で、愛称は真奈ちゃんと、完全になめられてる。でも授業はなかなかに面白いから好きな授業のひとつである。

まぁこんな感じのクラスにいる俺は毎日を憂鬱になりながら生きてる。実際早く死んで、異世界転生したくて仕方が無い。こんな負け続けるだけの人生が面白いわけないだろ。はぁ、どこぞの神様は一体何やってるんだよ。異世界行って俺TUEEEEやりたいよー!!!




そんなことを考えていたら、天井に魔法陣らしきものが展開していたらしい。なんでらしいかって、見てなかったんだよ... 気づいたときには、


「なんだよここ!!!」


「何が起きたの?」


「どこなのここ?」


こんな感じにパニクっていた。俺はというと、


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


こんな感じに呆然としていた。

え、マジで異世界来ちゃったの???






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