表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/26

23話

ダークエンジェルとピュアブラックへと変身した二人は、お化け屋敷へと向かっていた。

「なんで、直人と一緒だったのにはぐれたんだよ」

「そ、それは…煙で見失ったのよ…きっと…」

(いや…違う…)

柴晃は心の中でそう思った。なぜなら、犬に憑依させられていたときの吹き出した笑い声は、直人のものだった。普通なら、真っ先に倒れた人を助けるはずの正義感のある人が、逆方向に向かっていたのだ。

しかし、直人のことを信じたい春奈のことを考えると、柴晃はわざと春奈を置いていったことを言えない。

「…そうだな」




ピュアブラック達は、換気口からもといた部屋へ入ろうとしていた。

「…!?」

換気口から見える景色はさっきとまでは違っていた。

隣の部屋へ行くまでの塞がれていた通路が開いており、倒れていた人達は我を忘れたかのように、うめき声をあげながら、逃げている人たちを襲っていた。

「なんだよ!!一体どうなっているんだよ!!」

「ひとまず、逃げている人達を元の部屋に戻して、扉をふさぐわよ!!」

そう言って勢いよく飛び降りたダークエンジェルは、鞭を取り出し、ダークエンジェル目がけて襲い掛かろうとするところを巻き付けて電流を流し気絶させている。

(武器を改良してやがる…!!)

一方で何も持っていない柴晃は、真っ先に自分が逃げるように隣の部屋への誘導係となった。

「こっちへ逃げるんだ!!」

ピュアブラックは逃げている人を隣の部屋へ誘導していった。だが、逃げる人を置いていかんばかりに真っ先に走った。

「みなさーん!!こっちへー!!」

必殺“誘導するフリをして自分が真っ先に逃げる技”である。

「おい、あいつ助けるフリして真っ先に逃げてやがるぞ!!」

「さすが、悪役だな。卑怯すぎるぜ」

必殺技を繰り出せても、ヤジによるダメージを大いに食らった。しかし、あの豹変した人たちに襲われるよりはヤジを受けるほうが柴晃にとってはましなのである。

ピュアブラックがたどり着いた先には、ホワイトエンジェルがすでに倒していた後だった。

「ピュアブラック…お前の仕業なのか!!!今日こそは許さん!!」

「お前こそ許さない!!よくも…」

(春奈を置いていきやがって!!!)

声に出そうとするところで言えなかった。

「ピュアブラック!この剣でお前を貫いてやる!!」

「望むところだぁぁぁぁ!!」

ホワイトエンジェルの剣がピュアブラックに向かってきたが、ピュアブラックは数センチのところでかわした。しかし、実際のところ、倒れている人に躓いただけである。

「少しは、ましになったか」

「へっ…勝負はこっからだ!ホワイトエンジェル!!」

もはや躓いたとは言えない柴晃は、かっこつけてごまかすしかない。

先ほどよりはるかに越えたスピードでまっすぐ振り下ろしていた。

(まだだ…もう少し引き付けないと…)

刃が柴晃の顔をめがけて振り下ろした。

「…そんなもので、逃れられると思っているのか」

「現に、耐えているだろう?」

刃は顔寸前のところで止まっていた。2本のダウジングロッドで防いでいたのだ。柴晃の苦肉の策だが、ダウジングロッドでは防ぐのにも限界がある。剣に押されて折れそうになっていた。

 (ここまでかっ…)

覚悟を決めて、目を閉じると、電流の走る音がした。

「何か勘違いしているようね、ホワイトエンジェル。あなたごときを倒すだけで、煙まで使ってこんな小賢しい手を使うと思っているの?」

「なら、どうしてここにいるんだ!!」

ホワイトエンジェルに巻き付いた鞭が、持ち上げ、壁に衝突させた。

「こんな小賢しい悪が許せないのよ。私たちの絶対悪が!!!」

「ダークえんしぇる、ふじふぁ!?(ダークエンジェル、無事か)」

電流が、ダウジングロッドから柴晃へと感電させていた。

「全く、間抜けな奴。ったく、ここで時間を稼いでいるから、早く全員をこの建物から出しなさい!!」

「おお…!!」

「おい!!またあいつダークエンジェルおいて逃げるぞ!!」

「っ卑怯だぞ!!」

逃げながら柴晃は流れヤジを受けた。

 「ぶぉぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 聞き覚えのある叫び声だった。

 「こ、この叫びは!!」

 「ぶちょー!!待ってくださいよ!!」

 「感じます!!霊が!!霊がすぐそばにいますぅぅぅぅ!!」

 「何やっているんだ…」

 「あっ!部長!あの黒いやつに悪霊がのりうっつてます!!」

 北山が指をさした先はピュアブラックだった。

「え…?俺?」

(犬…はさっき柴晃の姿でしたし、他に乗りうつるって何すりゃいいんだよ!!)

「ワレワレハ ウチュウジンダ」

もはや幽霊ではない。

「幽霊じゃないです!!しっかりしてくださいよ!!」

(北山…俺を二度もはめようとは…)

ピュアブラックは北山を睨むと、北山は苦笑いを浮かべ後ずさる。

「むむむ…なんということでしょう…幽霊ではない…」

(これは…まずいか…)

「宇宙人様だったとはー!!感激ですぅぅ!握手してくださいー!!」

(通用するんかいっ!!)

「ワレワレハ コイツノカラダ ノットッタ」

そのまま宇宙人のフリを続ける。

「カエシテ ホシケレバ マワリノニンゲンタチ ソトニダセ」

「そんなぁ!!返さなくていいんですよ!!ずっとこのままでいてください!!」

(俺の体だよっ!!!)

「部長!!いけませんよ!この人は悪人顔でも人間なんです!ちゃんともとに返してあげないと!!」

(フォローされた気にならん…)


「ならぁ!!私の体にのりうつってくださいまし!!」

(いいのかよ!!)

「そ…ソノタメニハ マワリノニンゲン ソトニダセ キガチル」

「かしこまりましたぁぁぁ!!!北山さん、行きますよ!!」

「はっ、はい!!」

「宇宙人様はどうやって走られるのですか?」

「コ、コウヤッテ ハシル」

宇宙人が全力で走った。

「いや、キュー〇―ちゃんっす!!その走り方は宇宙人とて許されないっす!!」

「まさか、キュー〇―ちゃんは宇宙人がモデルなのでは…」

「とりあえず、マヨネーズと3分deクッキングに謝るっす!!」

「ぬぉぉ!負けてられません!キュー〇―ちゃんに負けないように、早く外に案内せねば!皆さーんこっちへついてきてください!!」

「いや、宇宙人っす!!」


「…ワレワレハ フツウニ ハシッタダケナノニ…」

走り方を変えようと思った柴晃であった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ