19話
ミッション開始のアナウンスにしたがって、番号順にペアが並んでいた。
「は・ぎ・の・く・ん」
「は、はい」
「これはまさしく霊のお導きですなぁぁ!!」
「違うと思……」
「うぉぉぉぉ!!霊が……魂が……私を呼んでいる!!あひゃははあっは」
「北山、今すぐにこの人の奇行を止めてくれ」
「無理っすよ」
「お前のところの部長だろうが!!これぐらい止められなくてどうする?」
「いや、いつもこういう役は高瀬先輩のお役目ですからねぇー」
「高瀬って苦労してるんだな」
紫晃は目に見えない高瀬の努力をひしひしと感じていた。
「それでは最終ミッション開始いたします。1番の方からお入りください」
そう言って係員が10~15分間隔で順番に部屋の中に通していった。
「いよいよ順番が来ましたねぇぇぇ」
谷岡部長の奇行はさらに勢いを増し、目も当てられなかった。
おかしな少女に引きつった顔で案内した係員をあとにし、紫晃たちは最終ミッションへと向かった。
しかし、その最終ミッションをクリアするものは一人としていなかった。
「なんにも無いじゃないっすか」
「確かに、おかしいな」
「ふっふふ。何も感じないのですか。お二人とも」
「おっ!?部長何かありましたか?」
「ビンビンきていますよぉぉ!!ただならぬ霊気がぁぁぁ!!」
「萩野さん、一つ忠告があります」
「どうした、北山」
「部長が霊気を感じる時は、いつも悪いことしか起こらないっす」
「……ということは、谷岡部長は見える人なのか?」
「いかにも見えますみたいな人だけど、意外とそうでもないみたいなんですよね」
「そ、そうなのか……てっきり取り憑かれているのかと」
「そりゃ、誰もがそう思いますよ」
紫晃たちが部屋へ案内されて、しばらく経っていた。
参加者が次々と各部屋に案内されるようで、春奈と直人のペアとは別の部屋に紫晃達はいた。
「まだっすかね、ミッションとやらは!」
待ちくたびれた北山はうなだれるように座り込んだ。
「確かに。案内されて何もない部屋で待たされるのはおかしいな……」
『お待たせいたしました。只今から最終ミッションの開始です』
部屋からアナウンスが流れだし、紫晃ら参加者は待ちわびた様子だった。
『最終ミッションは、この部屋からの脱出です。今から隣の部屋から扉が開きます。扉が開いたと同時にミッション開始となります。無事にこの屋敷から脱出できたペアが優勝となります』
「脱出系ってことか……」
「脱出できたら優勝って、2組以上脱出したら早いもの順ってことっすかね?」
「むふふふふふ、聞こえますよ。魂の叫びが!!!」
谷岡部長は叫びをあげながら踊っていた。その姿はもうすでにホラーであった。
「よく部長とここまでクリアできたな」
「高瀬先輩によると、逆に部長が幽霊を追いかけていたそうです。出禁になりそうでヒヤヒヤしていたそうです」
「……その光景が思い浮かんでくるぞ」




