17話
そうして三人はお化け屋敷前にたどり着いた。15時を過ぎたと同時に白い着物を着て幽霊に扮した職員が現れた。
「ようこそ……皆さん、恐怖の屋敷へ。ペアで様々なミッションをクリアしてもらい、脱出時間が一番早かったペアに一年分遊園地無料券を差し上げます」
「コウナッタラ、ユウショウスルシカナイネー」
「あ、当たり前だぜぇ」
二人の猿芝居はまだ続いていた。
「春奈、並ぼう!」
「ええ!!」
もうすぐ自分たちの番がやってくると思ったとき、
「申し訳ありません。お一人での参加はミッションをクリアすることができませんのでお断りされていただいていります」
「い、いや俺には相棒……」
「では、三人で参加しても?」
紫晃にポンポコを紹介させる前に春奈が助太刀に入った。
「かしこまりました。しかし、二人で行うミッションの時はどなたかお一人は見てもらうだけになってしまいますが、構いませんか?」
「えぇ」
優しく微笑む春奈に、職員はうっとりと眺めて、しばらく呆然としていた。微笑みの一方で直人は腹を抱えて笑っていた。
薄暗い部屋の中に入っていくと、封筒が置いてある机があった。その封筒を直人が開けると、手紙が入っており、ミッションの内容が書かれてあった。
「次の部屋には三枚の御札がある。その御札を探し出すと鍵のありかを知ることができ、部屋を抜け出すことができる……だって」
「じゃあ、その御札を探すしかないってわけね。これは三人でもできそうね。私と直人で探すから、あんたは懐中電灯持ってなさい」
「お、おう」
そういって、春奈から手渡されたのは、部屋に入る前に渡された懐中電灯だった。
「これぐらい暗いと、離れ離れで探すことは難しそうだね……」
直人が言うように、次の部屋は、真っ暗な空間が広がっており、懐中電灯で照らさないと前も見えなかった。
「そうね。なら、ありそうなところから探して行くしかないわね」
御札を探しているとき、紫晃の肩に手が置かれた。すると紫晃の背後からうめき声が聞こえてきた。
だが、その部屋で幽霊が出たのはそれきりだった。
職員の言葉通り、紫晃は見ているだけだった。
懐中電灯を持った紫晃が振り返ると、幽霊はうめき声から悲鳴に変わりその場から逃げてしまった。
「あんたの狂気じみた顔がこんな所で役に立つとはね!」
「好きで役に立ったわけじゃないからな!!」
「ははは……ま、まさか……懐中電灯を持った師匠がお化けより怖いなんて……もう、笑いすぎてお腹が痛い……」
「おかげで開始五分足らずで御札が見つかったけどね」
「もうお化け屋敷なんて懲り懲りだ」
「まだ最初のミッションをクリアしたばかりだよ。師匠頑張ろう!」
それから、いくつかのミッションがあったが、紫晃の活躍(?)により幽霊が一人も現れず、簡単にミッションを終わらせていた。




