油断大敵!恐怖の遊園地ミッション
ジャスティスモール騒ぎが沸騰していた中、紫晃の通う浦ノ内高等学校では、七不思議の一つが大きな噂で広まっていた。
紫晃は授業が終わり退屈な休み時間を机に突っ伏して寝ながら過ごしていた。
「この前、ダークエンジェルのバトルの映画観に行ったの!」
「あたしも観た!」
紫晃は自分たちが話題に上がっているのを内心で喜びながら、表に出さないように突っ伏したまま盗み聞きをしていた。
「それでさ、ダークエンジェルがピンチなときに流れた録音テープって、この学校の七不思議の噂の声と同じ……」
「まさか!北館の三階の端の教室から聞こえる唸り声でしょ?」
「私、前に聞いたことあって、ほんとにそっくりだってば!」
「嘘だぁー」
「ホントだってば!」
この浦ノ内高校には、七不思議というものがある。それは噂に過ぎないものであったが、七不思議の一つである、北館に響く不気味な声が実際に存在するのではないかと言いはやされている。
紫晃は録音テープの持ち主を推測できている。おそらく七不思議の鍵はあの写真部一行だろう。この学校に幽霊が存在するのか知りたくなったが、あの一行の顔を思い出すとすぐにやめておこうと思った。
そして、今日の授業も無事に終わり、家に帰ろうとしたとき、教室を出た廊下で誰かが紫晃を呼び止めた。
「おーい!萩野君!」
振り返るとそこには、見覚えのない少年が紫晃に手を振っていた。
「……何か用か」
「あ、ごめん。殺し屋の仕事の話じゃないんだ。今日は勧誘に来たんだよ!」
「なんだ、殺しのようじゃなければ、興味ないな・・・って俺は、殺し屋じゃないからな!!!顔で判断するなぁぁぁ!!」
突然のボケに紫晃は丁寧に乗った。
「いやぁ、萩野君って面白いね。顔以外は」
「顔の話は一旦置いてくれ」
「そうするね。じゃあ、仲良くなったところで本題に戻そう。萩野君、是非我が部に入ってくれ!」
その少年は爽やかな好青年といった感じで、胸元には2-3と書かれたバッチを身につけていた。体つきはしっかりとしており、いかにもスポーツ少年といった雰囲気を漂わせている。
「……俺は、スポーツがよくできる人間ではない。……だから、部に入っても人数合わせにしかな、ならい……いし、足を引っぱってしまう」
コミュニケーション能力の低い紫晃は、言葉を詰まらせながら話した。
「あぁ、大丈夫だよ。きっと俺を見てスポーツ系だと思ったんだね。俺、中学まで野球やってたんだけど、肩壊して、今は文化系の部活に入ってるんだ」
「文化系?何の部活だ?」
「写真部」
一番聞きたくなかった部活の名前が挙がった。
「断る」
「なんで?」
「あの部活には、苦手な人がいる」
「苦手っていうのは克服するためにあるんだよ」
「克服できるような人ではないと思う」
「まぁ、誰だか予想はつくけどね」
「見逃してくれないか」
「......」
少年が黙り込んだ。
「取り敢えず、俺と友達になろう」
「それは、見逃してくれるってことで捉えてもいいんだね?」
「見逃しはしないけど、取り敢えず俺と仲良くなろう。俺は、高瀬 創。よろしく」
「お、おう。知ってると思うけど、萩野紫晃だ」
二人は爽やか(?)に握手を交わした。




