第零話 “独白”
俺は知らない―
この世界とは異なる、もう一つの世界を。
では何故知らないのだろうか。当然のように辿り着くこの疑問。
回りくどい言い方をしていけば、何通りもその答えは出てくるだろう。
でも結局は単純なことで、知る為の手段がどこにも無かったのだ。
そのせいで、自分の心に合うはずのない蓋を被せ続けてきた。
それはとても苦しい事で、そんな事を進んで望むような人間は中々居ないだろう。
もちろん、俺だってその一人だ。
ならば。
そこに《手段》が現れたのならば。
たとえどれだけの危険を孕もうとも、そこに現れてくれたのならば。
果たしてどのような行動をとるのだろう。
決して実を結ぶとも分からない、蜃気楼のような可能性に縋るのだろうか。
それともそんなものは投げ捨てて、見知った日々に身体を埋めるのか。
俺は、今の俺ならば、きっと前者を選ぶだろう。
そうまでしてでも、この手に掴みたいものがあるから。
そしてその先にある微かな光を見出したいと、そう強く願ったから。
第零話、お読み頂きありがとうございました。
小説投稿自体が初めてなので、至らぬ点多々あると思いますが、そこは読者の方々からバンバン指摘して頂ければと思います。
投稿ペースはしばらくは不定期になるかもしれないです。
申し訳ありません。
改めて、お読み頂きありがとうございました!