最近見た映画 2
「オ酒セットのカラアゲ、マーボナス」
頼んだ料理が運ばれてくる。どれも酒のアテとは思えないほどの山盛りになっている。ひと際目を引く唐揚げはまるでチキンカツかの様に大きかった。
ケンタはカニ玉を炒飯の上に乗せ、即席の天心チャーハンを作り、カズシは大きな唐揚げを2つニンニク炒飯の上に乗せ、更にそこに麻婆茄子をかけた。見た目こそ拘ってはいないが、極めてジャンキーな味の物になった。
「いただきまーす」
ふたりは一度会話を止め、眼の前の料理を口に運ぶ。特別感はないが馴染みの店の馴染みの味は、楽しい時間を濃いめの味付けにする。
「最近チャーリーとチョコレート工場みたんだけど」
「なんだよさっきから少林サッカーだー。チョコレート工場だー。面白いけどね」
「それで気になった事があってさ、あれ、チャーリーが金のチケットどうやって手に入れたか覚えてる?」
「覚えてるに決まってんだろ。その話俺は当時からさんざしてたかんな」
「あー、そういやなんか自由研究にしてなかったっけ」
「してたよ。浅部がこの辺に書いてあるからテメーで訳してみろなんつうから、辞書片手にやったよ。まあまあかかったわ」
「オガスタスは、食いまくってたら当たったじゃん。あの食レポ風にやるやつ」
「ナッツでもなーい。それで取り出してみたら金のチケットだったってわけ。のやつね」
「嫌味な小娘ベルーカは金に物言わせてたじゃん。クルミではなくチョコレートを剝いてもらいますってやつ。あれはあれでもっと上手いこと出来たんじゃねって思ったけどね。なんか分かんなきけど、センサーとかそんなんで」
「あれ、実は親父がめっちゃ凄いからね。あんだけ人数がいる中で着服しようとしたパートの手を掴んでるからね」
「大企業の社長だからね。観察眼が凄い」
「本人も凄いよ。最後の方のシーンで空飛ぶエレベーターが欲しいって言ってたけど、空を飛ぶ謎のガラス張りの物体をパッと見でエレベーターと判断できるからね」
「会社は安泰だ。それで確率のやつと空手の子ね。あれ? 空手の子ってどうやって手に入れたっけ?」
「なにその天気の子みたいなやつ。あれはなんか空手の大会の商品とかじゃなかったっけ?」
「あんなアホみたいに高価なもんがちびっ子空手大会の賞品なんてある?」
「あー、言われてみれば。そうね」
「まあいいや、わかんねえ二人が話し合っても答えはでないから」
「烏合の衆だからね」
「んでチャーリーよ。あいつ拾ってきた金でチョコレート買ってるじゃん。家が貧乏で誕生日にようやく一枚買えるレベルの物を買ってきて、家族はそれについて何にも気になってないんだけど」
「それ俺は十年前以上から気になってて、原作なら補完されてんのかもしれないと思って調べたんだから」
「で、結局どうだったのよ」
「原作でもノータッチ」
「マジ? なんか制作の都合でカットされたとかじゃないんだ」
「ばっちり再現してるね」