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透明と言う色

作者: a

勤労感謝の日、それは私達にとってとても重要な日。1つのアカウントに集まり『彼』が戻ってくるのを待っている。

 今日は平日。いつもなら仕事に行っている時間だ、だが今日くらい自宅でゆっくりしてもいいだろう。会社と違い賑やかな声に柔らかな声で泣く鳩。いつもと違う人間になったようだ。いや、元々私は違う人間だったのかもしれない。

  「はーい、撮影始めるでー」

 この合図から始まる今日、いつものように画面に向かいマイクに対して声を出す。その場には一人しかいないはずなのに大勢の人がいるような、そんな感覚。

「おー!!!ええやん!!さすが!」

 そんな声が聞こえてくる

  (あぁ、落ち着く)ー

 まるで自分の為だけに作られた箱の中にピッタリハマっているよう、そんなな感覚だ。これを幸せと言っていいものか。そんな感情に見舞われながらも今日もマウスを手に画面に目線を向ける。

「今日はこれくらいにするか!」

「そうやな!お疲れさーん」

 この瞬間だけでどれだけの時間を費やしたか、今日だけで軽く十六時間は超えてるだろう。だがそれが瞬間に思える程彼らとの関わりは楽しいものだった。

 そして今。私は何をしている?仕事か?あぁ、もちろん仕事だ。毎日毎日画面と向き合いマウスと書類を手に仕事をする、以前と変わらない。変わらないが何故ここまで違うのだろうか、誰かと一緒にやっているからか?いいや違う。今だって同僚と一緒に仕事をしているじゃないか、じゃあ何故、どこが違う。そんな言いようのない疑問を抱え時は過ぎていく

 あれから何年経ったか。三年、いや四年か…ずっと仕事をしていてネットなんてろくに見てない。そういえば俺の名前はなんだっただろうか…。うーん、分からないなーもう歳か(笑)だがどうせ俺の事なんて忘れ去られてるさ、登録者もせいぜい数十万人程度。


  ………………………………………。…!!


【帰ってきて…お願いだから…。】



 さあ今日も頑張ろう。これじゃあもう社畜だな(笑)

私たちの願いは彼に幸せになって欲しい、健康に生きて欲しい。ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもダメなんだ…。どうか、どうか…

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