⑥
僕達はボルド伯爵に案内されVIPルームへと
招待された。
(す、すごい、、、なんて豪華な作りなんだ!)
目の前のガラスから
闘技場を見下ろせるぐらいの高さと広さ
部屋に設置されているデカい椅子は
ふわふわで座り心地が最高♪
おまけにボルド伯爵がパチンッ、っと
指を鳴らすと、
メイドらしき女の人が冷たい飲み物を運んで来てくれた。
中身はきっと、
『オーバーロード』に出てきた
オレンジジュースみたいなやつだ
間違いない。
「き、キンキンに冷えてやがるっ!!」
僕はお決まりの名セリフを言った
そしていっきに飲み干したのだ。
あっ、おかわりお願いします。
ザナトス「……ジナトス、
少しは遠慮しなさい(クイッ)」
兄さんはため息を吐きながら呆れていた
ボルド伯爵は「構わない」っと言った感じの
手振りをしてくれて、
そしておかわりを持ってくるようにと
メイドさんに命令していた
ちなみに兄さんは飲み物を飲まなかった
他人から出された物は口にしないのだ
それこそ失礼なんじゃないの?っと僕は思っていた
エリーナ「ボルド伯爵ありがとうございます」
エリーナ姫は丁寧にお辞儀をして、
そして飲み物を一口、こくっと飲んでいた
両手でグラスを支えながら飲んでいた
『左手はそえるだけ』とはこのことを言うのだろうか?
『おしとやかなお嬢様』とはこうゆう感じの人のことを言うんだろうね
なんせお姫様だからね
どっかのピンクの髪の明るい女の子の主人公も
ぜひこのお姫様を見習ってほしいものだ。
なんだっけ??
【紫陽花コンビ】だっけ??
僕は同時進行でやっているもう一つの作品の
主人公に悟らせるように言ってやった。
ーー『その後
彼の姿を見た者はいない……』ーー
目撃者の証言によると、
ピンクの髪の女の子が後ろからいきなり魔法を
ぶっ放してきて、
彼を亡き者にしたんだとか、、、
僕達の旅はここで、
いや、
この物語はここで、、、
ピンクの髪の女の子の手によって、
幕を下ろされることを余儀なくされたのだった……
ーー完。
エリーナ「あ、あの……冗談らしいです、、、
ま、まだ続いてますから……」
エリーナ姫が透き通った声で弱々しくも、
そしてとても申し訳なさそうにして
『あなた様』に謝罪をしていた。
まったく、
こんな可愛い子に
しかもお姫様に
謝罪をさせるなんて、
いったいこの作品はどうなってるだよ
まったく、、、
僕は氷をガリガリ食べながら、
すべての責任を作者さんになすりつけては、
何事も無かったかのように闘技場での試合を観戦しはじめたのだった。
あっ、りゅのくんの番だ!がんばれ〜!!