③
「いいかぁ
この世界には【魔剣】と呼ばれている
ものすっごく強くて
しかも壊れずにさらにおまけに刃こぼれもしない
特殊な剣が"7本"あるってのは知ってるよな?」
りゅのくんが両手を使って指で7の数字を表してはそう僕に教えてくれた。
「う、うん。
そのくらいは知ってるよ、、
あと、
【魔剣】を持っていると特殊なスキルが
使用できるんだよね?
特殊能力って言うのかなぁ」
僕は乏しい知識をふんだんに絞り出しては、
持っているその知識を自信なさげに披露してみた。
「正解っちゃ正解!
正確には【魔剣】に埋め込まれている"宝石"の
ような物からスキルが発動しているらしい。
てか、本題は今からだ」
そう言ってりゅのくんは肩に乗っている子パンダちゃんをエリーナ姫に預けては、
背中にしまってある二本の剣を鞘から抜いては構えだした。
「普通の剣なら熟練度さえあれば、
ぶっちゃけ剣士じゃなくても
ある程度は振れるんだぜ?
まぁ剣士の職業の方が熟練度は高くなって
威力や切れ味はよくなるけどな」
ーーブォンブォン!!
りゅのくんが二本の剣を素振りしている
それだけなのに、
物凄い風圧が僕の方まで来ては
僕の前髪を揺らしていた。
僕はゴクリッと生唾を飲んだ。
熟練度……ファイアーエンブレムかな?
あっ、ここ伏字使わなきゃっ、、
任天堂さんは怖いからね。
じゃあもう一度↓
熟練度……ファイアーエ●ブレムかな?
「ジナトス、、
何を言っているかわからないが
伏せれてないぞ?
ふざけてないでちゃんと聞きなさい」クイッ
ーーブォンブォン!!(←まだ素振りしている音)
兄さんが眼鏡をクイッと上げては僕を注意した。
りゅのくんは何事もなかったかのように
そのまま続けてくれた。
「……【魔剣】は別だ。」
りゅのくんの素振りがピタッと止まった
「【魔剣】にはまるで意思があるかのように、
使える者を選ぶみたいなんだ、、、
仕組みはしらねーけど、
たぶん相性ってやつなんじゃね?
ちなみに
所有者じゃないやつが【魔剣】を握ると……」
そう言いながらりゅのくんはズシンッと、
まるでおもりでもついているかのように、
二本の剣を重たそうに持っている演技をしてくれた。
ゴクリッ、、、僕はまた生唾を飲んだ。
「……とまぁ、
こんな風に所有者でもないやつが持つと、
重くて使えなくなるって訳さ。
そもそも鞘から抜けないらしいからな。
今のは、
『鞘から抜いた状態で
無理矢理【魔剣】を持ってみたパターン』
だ!」
な、なるほどぉ、、、
【魔剣】は所有者に選ばれなければ
使えないんだね。
あと、
りゅのくんはパントマイムが上手いんだね。
【魔剣】についてなんとなく理解した僕は、
早く【魔剣】を拝みたくなってきていた。