②
僕達はエリーナ姫の護衛をしつつ、
【魔剣】が優勝賞品となっている闘技場を目指した。
「魔剣ってなんか響きがカッコいいよね!」
僕は目をキラキラさせながら魔剣のことを考え歩いていた。
「わかるぜジナトス!
魔剣は剣士の憧れだからなぁ!
『魔剣に認められて所有者になる』ってのは
剣士の夢でもあるんだよなぁ〜
なんせ遥か昔に勇者さまが集めてたほど
強力な剣らしいからなぁ〜」
りゅのくんの目もキラキラしていた。
りゅのくんの肩にしがみついている子パンダちゃんはきっと、
僕達が何を言っているのかわかってないとはずだと思うのに、
それでもりゅのくんの真似をしては、
子パンダちゃんも目をキラキラとさせていた。
「子供みたいに目をキラキラさせて可愛いです」
エリーナ姫が微笑んでいた。
エリーナ姫はりゅのくんの方を見ていた。
僕は子パンダちゃんのことを言ってるのかと思ったけど、
エリーナ姫はりゅのくんに惚れているのだと、
後になって思い返して気付いた。
まぁりゅのくんはカッコいいし、
とても強いし、
優しいし、
剣士だし、
おまけに子パンダちゃんもついてくるし、
【魔剣】に認められてもおかしくない人だよね。
あれ?
「そういえば、
魔剣に認められるってどうゆうこと?
魔剣は剣士なら誰にでも使えるんじゃないの?」
僕は有名な【魔剣】についてあまり詳しくは知らなかった
「ジナトス、、、
本気で言っているのですか?(クイッ)」
うわっ、
兄さんが僕に対して丁寧に話す時は決まって、
お説教が来る時だ。
「や、やだなぁ兄さん。
僕はいま見てくれている『あなた様』に
わかりやすく説明して差し上げようと、、、」
兄さんは二本の指で眼鏡をクイッと上げては、
ズイズイと僕に近寄ってきたのだ。
……ち、ちかいよ、兄さん。
「ほぉ、(クイッ)
前半は何を言ってるのかわかりませんが、
詳しく説明してごらんなさい」キラーン
兄さんの眼鏡が珍しく光った。
僕はすぐさまりゅのくんの方に目を向けては、
「助けて!」と懇願するように瞳をうるわせた。
それは女の子がよくやるテクニックの一つで、
『上目遣いのおめめウルウル』
って技だ。
これは僕が使っても効果があるほど強力な技なのだ
『あなた様』の手持ちのポケモンにも
ぜひ覚えさせてあげてほしい技だ。
りゅのくん「しゃーねぇな、
俺の知ってる範囲で【魔剣】について
説明してやるよ。」
ほらね?効果は抜群だ♪