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「………で…………です」


「そ………?」


「お願い………て………」



うーん…うるさいなぁ…


ゴソゴソ……




「……ザ?」



…ゴソゴソゴソ………



「……イザ…!イライザ!

目を覚ましたの?!」


耳元で叫ばれて、グッと眉間に皺を寄せる。




うるさいなぁ、誰?


はぁと溜息を吐き、重い瞼を持ち上げて、ぼんやりと周りを見渡す。




大きな天蓋付きのフカフカベッドに大きな部屋。

近くには陽の差し込む窓があり、窓が空いているのか、カーテンがヒラヒラと舞っている。


もう一度天上を見上げると天蓋の重厚な木目と細かい細工が見える。



はて、ここはどこだろうか。

まだ寝惚けているのか。




隣では、私より若く美しい女性が心配そうに見つめている。





うん、誰だろうか。





ふつふつと記憶が蘇る。

確か、私は死のうと思っていたはず。

ということは、この人は隣人で、心配して来てくれたのだろうか。

そうだとしたらこの人には申し訳ないな。

心配してくれているけれど、退出してもらったら、また自殺を図ると思うから。




「だいじょうぶれしゅ。

おきになしゃらじゅ。」



ん?


声高くない?

それに上手く喋れない…。

眠剤の後遺症だろうか。


女性も私が上手く話せないからなのか、目と口を真ん丸にして驚いている。




サッと女性の手が伸びてきて熱を計られる。


「やっぱり、あんな得体の知れない人を信用するんじゃなかったかしら…。治ってなんていないんじゃ…。」




顔を青くしながら口元に手を当てている女性の後ろから、コツコツと足音が響き、スっと鼻筋の通った強面の男性が話しかける。


「こらこら、偉い先生から買った高い薬なんだぞ。

それにその先生だってすぐそばにいるんだ。言葉を慎みなさい。」


「あなた…」


女性は男性に窘められると、ポっと頬を染めてシナシナと身体をくねらせて萎らしい態度を取る。

男性の方は強面の顔を1mmたりとも動かさない。

が、その強面の顔のまま萎らしくなった女性の腰を抱きしめて、頬に口付ける。

よく見たら2人ともお揃いのリングをしている。




どうやらこの2人、夫婦のようだ。

だけどなんだろう…まるで美女と野獣なのに、どちらかと言うと、女性の方が男性に惚れ込んでる感が滲んでいるような…。




まぁいいや、とりあえずうちでドタバタ劇とかご勘弁願いたいし、ご退出頂こうと、重たい身体を起き上がらせる。





その時。


布団の上に見えた自分の腕、脚。

それは極端に小さく、怠さも加わって、自分で支えることさえ出来なかった。


「イライザ!危ないわ!」


既の所で女性が支えてくれる。


「…ありやとうごじゃいましゅ……」




なんとかお礼を言うことは出来たけれど、混乱で頭が真っ白だ…。

どういうことなの?

私の手足、否、身体が幼体化してる?!







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