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次に私が目を覚ましたときには私はふかふかのベットの上で寝ていた。
あれほどあった空腹感も満たされており、ふと体を起こしてみればまとっていたのは見たことのない服だった。
そして、自分の手足を見て驚く、ところどころあったはずの小さな怪我がすべてなくなっていたのだ。服の下がどうなっているのか確認しようとボタンに手をかけた所で部屋の扉が開いた。
「目が覚めたんだね。おはよう」
「あ……あ……か、神様?」
「神様ではないよ」
そう微笑みながら、神様……神様ではないらしいが、私にとっての神様が近づいてきた。
神様はダンジョンの攻略をしたいらしい、神様なら簡単にダンジョンの攻略ができるけどそれでは意味がないという。
だから、協力してダンジョンを攻略して欲しいという話だった。
その時は難しい話ばかりで分からないこともあったが、神様のためならとむしろ協力させて欲しいと願い出た。
そして、今現在。神様とであって3ヶ月で私のレベルは150になっていた。
レベルが上がるごとに自分が強くなって行くのが分かる。それに賢くもなったと思う。教えられたことは大体一回で覚えられる。
最近では魔工学という、魔石のエネルギー利用も含めた工学系について勉強している。
そして、世間にも触れて分かった事があるが、やはりアキラ様は神様なのだろうと思う。
その知識に力はまさしく神としか思えない。
「さて、71階層は群れで行動するタイプのモンスターが多かった61階層とは違い単独で行動するものが主となってくる」
アキラ様はダンジョンについて詳しい、5つのダンジョンを99階層まで攻略してダンジョンごとの特徴は微妙にあるものの、階層ごとのモンスター傾向は変わらないらしい。
「なるほど」
「まぁ、此処からはレベル差があるからカモだね。ささっと攻略してしまおう」
「はい!」
そして、私はダンジョン攻略を開始する。
このあたりのダンジョンは国の代わりにマフィアが仕切っているのだが、私達はフリーパスで入る事が出来る。
これは私がこのあたりのマフィアを締め上げたからだ。力をもってして強引に支配することもあれば、精神的に追い詰めて支配することもした。なので、このあたりで私たちに逆らう人間はいない。
「さて、階層移動しようか」
「はい」
アキラ様と手をつなぎ、アキラ様のスキルで71階層に移動する。階層移動のスキルは10階層ごとの入口近くに移動する事が出来るスキルだ。
これはレアなスキルらしく、基本的にダンジョンの攻略は行き帰りを想定しなけらばならないらしい、階層移動のスキルは10階層ごととはいえ攻略が進んでいるところまで行くこともできれば入口まで戻ることの出来る破格のスキルだ。
「80階層の攻略が終われば手に入るスキルだからがんばろうか」
「はい……」
80階層の攻略が終わればこうして手をつないで一緒に移動できなくなるのか……。それは少し寂しいと思ってしまった。
「それじゃあ、行こうか」
「がんばります!」
私は腰に佩いたアキラ様からもらった剣を撫でて気合を入れる。
さぁ、がんばろう!
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