思ったよりも退屈
世間から隠れて生活するようになってから1ヶ月が過ぎた頃。
世間の話題は未だに僕が攻略したダンジョンについてのニュースをしていた。
どうやら、ダンジョンは攻略すると崩れるらしく、僕が攻略したのはどちらも塔型だったらしく、4年前に最初に攻略したときにそのダンジョンは崩れたらしい。
そしてそのすぐそばに新しいダンジョンができた。そして、そのダンジョンはありえないほど強いモンスターの巣窟であり、侵入した自衛隊やら、冒険者やらはほとんどが帰ってこれなかったらしい。
それはそうだろう。最初のダンジョンの最高階層で必要なレベルは200以上だ。そしてその続きとなる第二のダンジョンはそのままそのレベルが必要な難易度となっている。むしろそのレベルのモンスターのいるダンジョンに入って生きて出てきた人間に尊敬するレベルである。
まぁ、そんなレベルのダンジョンが崩れ去ったことで一体ダンジョンで何が起きたのか? という議論がニュースの中心だった。
「しかし、ダンジョンって攻略すると崩れるのか……」
5年もダンジョンで生活したせいで時代に取り残されてる感はあるが魔石と呼ばれるモンスターから取れるファンタジー素材にからクリーンなエネルギーを手に入れることのできるようになった人類的にダンジョンの攻略によるダンジョンの消失はいいことなのだろうか?
「んー、僕の考えることじゃないな」
ダンジョンの攻略を完全にしないということはありえないらしい、それというのも攻略されないダンジョンのデメリットとしてそこからそれなりに強くて多くのモンスターが溢れて来るというものがあるからだ。A国はそれで国土の半分を焼かれたらしい。
しかし、それにしたって1階層をちょろちょろ探索してモンスターを狩るだけで防げることらしい。
まぁ、そんな感じだから管理は国がしているが一般人にもダンジョンが開放されていてダンジョンに潜ってる人間も多い。子供たちの遊び場にもなってるらしい。
ただ、問題もあるらしく低階層でもスキルを手に入れる人も居るらしく、そのスキルを使っての犯罪などもあるということだ。国としてはモンスターがあふれた場合のデメリットが高いためかダンジョンの一般解放もやめられないがそれを取り締まらなければならないという面も出てきて、今ではスキル保持者に対するための組織が国で作られているらしい。
「……その組織よりも強いスキル持ちが現れたらどうするんだろう?」
例えば僕とか僕とか僕とか……なんてね。こんな力を持って本気で暴れた日には地球がなくなる。そういうレベルだ。だから僕はこの力を世間に見せびらかすつもりは無い。
「でも、思ったよりも退屈だな。この生活」
最初の内はわくわくしてダンジョンが現れて変わった世界を調べていたが、それにもだんだんと慣れてくる。
「起伏の無い人生はつまらない。波紋を広げるための石か……第一段階のダンジョンより第二段階のダンジョンで手に入れるものの方が圧倒的に高品質なんだし、第二段階のダンジョンを攻略する人間の登場っていうのはどうだろうか?」
うんうん、なんだか楽しそうだ。そうと決まれば協力者を探そうか。