[奈落]世界最強の存在は永遠を生きる。傍らの妻と共に。
勇者達が、今後について相談に来た。
教会で元の世界に戻る方法を聞き、そんな物は無いと言われたらしい。
勇者達に冒険者ギルドへの登録を勧め、王女私兵に対する情報共有の打ち合わせをし、国外脱出に関しても話し合った。
そして勇者達は御礼を言って出ていき。
「ショーイチ、結局教えなかったのですね」
ルナが言う。
そう、俺は神から、送還に関しても聞いていた。
彼らを送還しても、直ちには影響がないと。
「俺はもうこの世界に所属するもの。そして大切なのはイヴ、リヴィア、ルナ、それだけだ。勇者達にはこの世界に骨を埋めてもらったほうが、滋養になるからな」
「世界の欠陥やワームが無くなったとはいえ、リソースに限りが有るのは確かですからね。魔王システムも停止したので、これからは異世界召喚も減り、人口増加も予想されます」
ルナが頷く。
「ショーイチ、これからどうするのですか?」
イヴが横に座り、腕に抱きつきながら問う。
「とりあえず、海で泳いでも楽しいかな。冬になったら雪のある国で遊ぶのも良さそうだ」
「雪で遊べるのですね」
ルナが興味深そうに言う。
「ああ。かまくら作ったり、スキーしたり」
「早く4次職なりたいぜ」
リヴィアが言う。
「ああ、合間にレベル上げもしようぜ。あ、終末の灯火は禁止な」
「分かってる。試射・終末の灯火にしておくよ」
「それも駄目だからな?!どうしても撃ちたかったら、アビスでな」
「く・・・」
「世界の綻びもそのうち治しに行かないとなあ・・・」
俺がぼやく。
忘れてたよ。
まあ、現状世界人口凄く少ないので、緊急性はないと思う。
焦ることはない。
これから何百年、何千年、何万年と、この世界運営は続くのだから。
イヴが、腕に顔を寄せ、目を細めている。
そっと頭を撫でてやる。
この甘い時間も、永遠に続くのだから。
お付き合い下さり有り難うございました。
沢山の閲覧、沢山のブックマーク、沢山の評価、そして感想も頂き、有り難うございます。
この話はここで一旦終わりとします。
と言っても、彰一の物語に関しては、語るのはこれで終わりになります。
一部、まだ語っていない話。
過去の話に関して、少しだけ書く予定です。
本当はこの続きに書きたい誘惑にもかられたのですが、
過去、となると、やはり雰囲気は変わってしまうので・・・
警告等を付けた上で、別投稿とする事にしました。
それでは最後に改めて、閲覧有り難うございました。




