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[奈落]少し慣れてきた期待のルーキーはダンジョンに潜る。友は警告を携え尋ね来る

「また昨日の晩みたいな事があっても困るし、とりあえず化身(アバター)のレベルを上げよう。まずはダンジョンで採取かな・・・100レベルまで早く上げてしまいたい」


彰一が、仲間に向かって言う。


「ほんとだるいよなあ・・・力制限されるとか・・・あの糞女神がデタラメかましてるんじゃないかなあ・・・」


リヴィアが嘆く。


「残念な事に、調べて見ましたが事実のようです。こうやって化身(アバター)を馴染ませていかないと、びっくりするくらいリソースを使うようですね」


ルナが残念そうに言う。


「でもでも、私はこうやってみんなとコツコツやるの好きだよ!」


イヴが楽しそうに言う。


化身(アバター)は、職業は最初初級職しか選べないし、レベルも低い。

一応経験値アップのスキル等は貰ったけど・・・

レベルが上がったら大規模トレインとかで一気に上げてしまいたい。


彰一 Lv.23 ファイター Lv.16

イヴ Lv.21 アコライト Lv.12

リヴィア Lv.26 メイジ Lv.18

ルナ Lv.25 アーチャー Lv.17


・・・頑張ろう。


「おっちゃん、ご苦労様です」


ダンジョン管理のおっちゃんに、許可証を見せながらダンジョンに入る。


「お、期待のルーキー達じゃねえか。もう3階層行ったんだって?ただ、いい気になってると失敗するから気をつけろよ」


「ありがとー」


イヴがにっこり微笑んで応える。


3階層、本来は適正レベルより高いが・・・レベルは下がっても魔法操作技術とかもあるし、PT間連携もあるので、本来のレベルよりは高い所でも危なげはない。


ダンジョン、神が作った修練の場。

珍しいキノコ、薬効のあるハーブ、魔物を解体して得られる物・・・そして沸く宝箱。

ダンジョンで得られる物は多い。

冒険者達が挑戦し、様々な物を持ち帰り・・・街は貴重な素材を得るのだ。


エレベーター、ダンジョンの中にある施設で、ここに好きな階層を入れるとそこに移動できる。

便利だ。

ただし上層部しか使えない。


ダンジョン内は定期的に構造が変化するので、決まったマップは売っていない。

マッピングして売り出す人もいるけど。


4階層。

ダンシングマッシュに、キラーターマイト。

キノコに蟻だ。

他にリザードマンやスケルトンもいる。


彰一がタゲをとり、イヴが回復。

ルナとリヴィアで倒す。

淡々とこなす。


宝箱や罠を解除するのはルナ。

落とし穴や水たまり、ダメージ床等は、リヴィアの浮遊魔法で無効化する。


キノコの残骸、蟻の触手や骨格・・・素材として納品するとお金が貰え、ギルドポイントが入る。

これがほぼ目的と言っていい。


たくさん入るバックは、奈落産だ。

尚、奪われたら溶ける。


夕方まで狩りを続け、引き返す。

レベルも20程上がった。

明日はもっと階層進められるな、と彰一は思う。


精算。

ギルド職員がほくほくした顔で素材を受け取る。

今日もたっぷり、昨日よりも遥かに高額なお金、そしてギルドポイント。

そろそろDランクが見えてきた。

異例の早さだ。


そして・・・酒宴。

この酒場の料理も、お酒も、本当に美味しい。

・・・イヴが時々、自分で料理したいと言うが・・・それはマイホームを持ってからの話だ。

とは言え、味にはイヴも満足していて、笑顔だ。

・・・時々、イヴが味付けとか料理とかのレシピを聞いている。


耀と冥利が彰一に危険を知らせに来てくれたので、彰一達は驚いた演技をした後、気をつける旨を約束しておいた。

まあ、第二段が来ても同じ結果になるとは思うけど。

出来れば化身(アバター)で返り討ちにしたくはある。


ともあれ、彰一達は今この時を楽しんでいる。

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