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「ようこそ、と申し上げます。簒奪者にして、終焉をもたらす者・・・いえ、終わらせてくれる存在よ」
女性、だろうか。
凛々しく、美しい。
イヴやリヴィア、ルナの方が可愛いけどね。
「まさか・・・創造の女神、イリス様?!」
ルナが驚きの声を上げる。
「何でイリス様が、アビスに・・・?」
イヴも驚きを隠せないようだ。
「ここ、アビスは、創世の地。そして世界の根であり、最後の残渣です」
女神の抽象的な言葉に違和感を覚える。
「最後の残渣?」
女神が手を上げると、映像が浮かび上がる。
そこは崩壊した地。
「魔王の因果や、外界からの取り込みで世界を保っていましたが・・・世界の欠陥からの情報の流出、アビスワームによる急速な消費・・・」
女神はそこで、イヴを見、
「神教会に指示を送っても人類は聞かず、私利私欲の為に争いを・・・」
ルナを見て、
「魔王の出現で混乱しているところに、ルナティックボックスの同時複数開放・・・」
俺を見て、
「そして魔王の収奪により、アビスの情報量が激減。世界は維持出来なくなり・・・滅びました」
みんなを見渡し、
「私はもう、疲れました。一応、貴方が此処に来た瞬間にバックアップは造られていますが、もうやり直す気力は有りません。私は此処で消えようと思います」
女神は乾いた微笑みを浮かべながら言う。
「そんな・・・嫌です!もっとショーイチと・・・ルナと、リヴィアと、楽しく過ごしたい!」
イヴが、泣きながら言う。
「貴女の我儘でどうこう出来る問題では有りません。何なら、私を吸収し、このアビスを修復したらどうですか?アビスワームがいない今、後何千年かは保ちますよ?」
女神が呆れながら言う。
「もっとみんなと過ごしたい、もっと色々行きたい。もっと楽しみたい!」
イヴが叫ぶ。
我儘だ。
だが・・・
「彼女の我儘を適えるのは、彼氏の役割、かな」




