雨傘遠汰
部活動で使っているペンネームの由来です。
「私、雨が好きなの」
理由はそうね、全てを流してくれる気がするからかしら。
泣き跡も見えない傷も消したい過去も。
何も知らない雨は私に打ちつけて落ちてくの。
溶け出した、不必要な物も全部流してくれる気がするの。
「でも、僕は君が雨に濡れるのは嫌だなぁ。」
風邪引いちゃうもん。
ほら、傘さして。
君は雨が全てを流してくれるというけれどそれは皆一緒なんだ。
そうだよ、雨は空に帰る。
流れた悲しみも傷も過去も。
また雨に打たれたら戻ってきちゃうよ。
それは嫌だろう?
ほら、だから傘をさして。
そんな貴方の声は遠くて。
記憶の中で淘汰されて消えていく。
あれから何年も経って役目を終えた"雨傘"は骨組みだけになってしまった。
それでも私はその傘をさして雨に打たれるの。
"淘汰"されていく、"遠い"貴方を忘れないように。