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王様の放浪日記

桜のある景色

作者: 東雲 一鞠

 青い空を彩る桃色。そのコントラストが、俺の目を飾った。

 緑の絨毯に重く腰をおろす幹、地を這う根。力強く伸ばされた、太い枝。その先で咲う、明るい花。桜には不思議な力がある、と誰だったかが言っていたのを、何となく思い出した。桜の魔力に、俺も呼び寄せられてしまったのだろうか、なんてな。

 嘲って、大木の傍を流れる川に目をやる。春の昼下がりに相応しく、水流はおだやかで、川原で揺れる蒲公英も微睡んでいる。

 遠くから、子どもの声が聞こえた。そちらを見ると、父親と二人でキャッチボールをする、小さな男の子がいた。そんな記憶が、あるはずもないのに、なぜか懐かしさを覚える。その理由が分からないまま、桜の木の下に腰をおろした。川の向こうには閑静な住宅街が見える。ぽかぽかとした陽気が、世界のすべてを鈍くしている。そんな気がした。

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