珍種の怪異
やっとの珍種!レオールは喜ぶが、そこには不穏な影があって…?
「プルルルル」
電話が鳴った。
「はーい、こちら珍新怪異討伐部隊です~。ご用件は協力要請意外なら受け入れます」
くそみたないな対応で出たのは珍新怪異討伐部隊の隊長レオールだ。
「安心してください、珍種です」
「マジ!?」
「はい、名前は分かってます。隣町にミュータント1匹です」
「了解でーす」
ガシャンと受話器を戻す。
「ルーちゃん、今分かってるミュータントの情報は?」
急いで確認する。
「えっとですね。ミュータントは『群れ』で行動する生き物。そんくらいですね。」
「…ふーん、ま、いっか!早速いこ!」
隣町に着くなり、すぐそこにミュータントがいた。
人間より少し大きい。
「すごく暴れてるね。何でだろ。まあいいや、じゃあガンバ~」
「うっす」
ミュータントと対峙する。少し気色悪い。さて、何をされるか分からない状態でどうしようか。
「とりあえず…」
異術-『斬』
ミュータントの首がとれる。
「!」
頬がかする。危なかった。どこから来たか分からないが、ミュータントが岩を投げてきていたのだ。
首を斬ったとて、死なないのか。これは強敵だ。だが、人間でも怪異でもいずれにせよ何にでも急所はある。
「だから…」
異術-『爆』
ミュータントの体が爆ぜる。少し痙攣し、動かなくなった。
「よし、後はお願いします」
そう言って隊長の元へいく。報告書も書かなきゃな。
「隊長~、あれ?隊長?…居ない」
戻ったときにはレオールは消えていた。
その頃レオールは、ある不可解な疑問を抱いていた。
(ミュータントは群れで行動する生き物だ。なぜ1匹しかいないんだ?)
唯一知っていミュータントの巣を見に行く。
「!」
そこには一人の少女がいた手にはスコップが握ってある。傍には、たくさんのミュータントの死骸が転がっていた。
「…君が殺したの?」
少女が振り向き、笑う。ケラケラと可愛らしい声だった。
「うん!」
「そうなんだ。でもダメなんだよね」
そっと手錠を出す。
「何で?この町の為にしたことなのに。皆も怪異がいなくなった方が安心して暮らせるでしょ?」
「そうはいかないんだよ。この世界にも人間の言葉が話せる怪異がいてね。それを俺らは怪人と呼んでいる。そいつが交渉して来たんだ。「こちらが人間の敷地に入ったのなら殺してもよい。だが、こちらの敷地に入ったのならこちらも殺そう」とね。」
「へ~…」
「そいつは怪人っていう種類でね、頭がいいんだよ」
「怪人は人間に紛れて殺すのも可能だ。だから敷地関係なく討伐対象なんだよね。」
「つまり、君だ」
少女が考え込む様子を見せてからニッと笑う。角がニョキッと生えた。そして飛び離れた。手首に付けている鈴がチリンと音を立てる。
「バレちゃったな~。お兄さんとは戦いたくないし、今日はここでオサラバするよ」
「また会おうね」
そう少女はいい。消えた。
そして俺は、戻った。
「ただいま~」
「どこに行ってたんですか!?」
「ちょっと遊んでた」
「おい」
「疲れた。寝る」
「寝るな!報告書を作るのを手伝え!」
嫌~と暴れる。今日が終わる。レオールしか知らない不穏な余韻を残して。




