上等だ
「あららー、早いね」
「そんなこと言ってないで助けに行くとかしないの!?」
「大丈夫。何て言ったって、このブザーはG・P・S!が付いてるんだから」
自慢するように位置情報を見せてくる。
「それで何が大丈夫なのよ」
「これ他の教師も見れるから。誰かが行くって」
「教師全員がアンタと一緒の思考回路だったら誰も行かないけどね」
ピーーーーーッ
また鳴った。次は違う場所から聞こえる。
ピーーーーーッ
ピーーーーーッ
ピーーーーーッ
「え、鳴りすぎじゃない?」
「そうだね。今年はどうしたんだかね」
深く考えた様子もなく淡々と言ってくる。
「せんせー!!」
声が聞こえた。
「やばいっ行くわよって、・・・あれ?どこに行ったのよ」
マリアがいつの間にか消えていた。
まあ、いいかと声が聞こえた方向に走る。
生徒が見えた。
「アンタいつの間に!」
そこにはもうマリアがいた。異術-『移』、前レオールが使っていたけど、居場所も座標も分からないような状況で使ったの?・・・まさかね。
「グ・・・」
傍に一人の教員が倒れていた。
「君、大丈夫?」
「申し訳ありません。背後をとられました」
なぜだ。彼は生徒たちに背を向け戦っていたはずなのに。背後なんて・・・
「違うの。マリア先生。私たちの班の中に混ざってたの」
泣きじゃくりながらもその子は言い続ける。
「怪人が」
「・・・ッ」
怪人!?何でこんなところに…手を出したら殺されると分かってるはずなのに。ああ、まさか。
「私」
「え?」
「怪人の狙いは、私よ」
どういうこと?と子供たちが混乱する。
「・・・なるほどねぇ、君たち、戻りなさい」
「でも!」
「大丈夫、怪異とは会わないから」
ためらって、はい、とうなずいた生徒たちは走り出した。
しっかりとそれを確認したマリアは、スマホを取り出した。
「えー、緊急要請。全教員に言います。生徒の元へただちに向かい、レオちゃん達がいるところに戻るように指示しなさい」
スマホをポケットにしまうと、しゃがみこんでいるメアに近づいた。
「どういうことか、説明してもらいます」
「みんな速く戻って!!」
「うわあああ」「きゃあああ」と悲鳴が響き渡る。
「どうしようもねえよ。これ・・・、なんなんだよ、この怪異の数」
一人の教員が倒れた。
「うーん、ルーちゃんは行っちゃったなぁ」
先ほど緊急要請を聞くなり、走り出してしまった。生徒はまだ数十人しか戻ってきてない。本当に嫌だ。臨時の教師一人より、いつもの教師複数人の方が子供たちも安心しただろうに。
まあ、マリアが俺をここに置いた理由は分かる。きっと、何かあった時の最終兵器だろうな。
「あちらの目的はメア?それとも未来の隊員を潰すため?どっちもかな」
かなり大きい一匹の怪異がこちらに近づいてくる。
グシャッと体が飛び散った。
「上等だ」
まだまだメアちゃんの謎は終わりませんよー!




