今日も暇
暇で仕方ないのに仕事はやらない最強上司と、上司に仕事を押し付けられる毒舌部下の怪異討伐物語です。
「暇」
そう俺、レオールは呟く。ここは『珍新怪異討伐部隊』。ちなみに俺はここの隊長だ。隊長のはずなんだが
「隊長ー。んなこと言ったってここは珍種や新種を討伐したり、協力要請されるだけの場所ですよ。そうきませんって。」
そう言ったのはここで結構長く勤めるルーカスだ。ここの部隊に所属してるのは俺いれてたったの二人だ。それで成り立っているんだからすごいと思うが。
「ルーちゃーん…」
「やめてください。そう呼ぶの、ていうかあんた討伐要請来ても付いてくるだけで闘わないじゃないですか。それに本当に年上ですか?見たところそうは思わなッ」
俺の身長をみて言ったルーちゃんを俺はこの前みた東洋の腕ひしぎ十字固めをする。
「いったたたた」
そんなことをしてると、突如電話が鳴った。
「はーい、こちら珍新怪異討伐部隊です~。ご用件は珍種ですか?新種ですか?協力要請はお断りで~す」
俺は受話器を手に取り言う。
「いえ、協力要請です。」
そう聞くなり受話器を置こうとすると、ルーちゃんにガッチリと掴まれた。
「いや~、ホントありえないよね。珍新だけに数も少なくてさ?全然依頼来ないし。来たと思ったら討伐以来で最悪だよ」
「そうですか?僕はそう思いませんけど。だって楽しいじゃないですか。ブッた斬るの」
ルーちゃんの言葉にドン引きしていると、唸り声が聞こえてきた。
「うはっ、こりゃ数が多い!」
そこにはザッとみて百体はいるんじゃないかと思う程の群れがこちらに走ってきていた。
「ルーちゃんよろしく、俺はそこら辺で見てるよ」
「はいはい」
そういうなり、ルーカスは飛び出していった。砂けむりがすごい。目に入った砂をとったときにはルーカスは見えなくなっていた。
ルーカスはめんどくさいと思っていた。だってそうだろう。上司は戦わないし、自分一人だし。
「ま、こういうめんどくさいときは」
異術―『斬』
怪異の斬れる音がする。そう、怪異討伐部隊は、異術という特殊な術を使うのだ。つくづく自分が怪異じゃなくて良かったと思う。
「すげえ、『斬』だけでこの数の怪異を倒しやがった!」
「マジかよ、あいつどこの部隊だ?」
いつの間にか来ていた他の部隊の声を聞きながら怪異が全部死んだことを確認すると、僕はその場を後にした。
僕が戻ると隊長は寝ていた。ふざけんなと思い蹴りあげる、避けたられた。マジかよ。
「ひどい部下だ。上司を蹴りあげるとは」
「こっちのセリフですけどね。普通、部下に全部任せる上司がいますか?」
ブゥーとふてくされてるレオールをみてため息が出る。
「さ、帰りますよ。このままだとまた他の部隊から勧誘の嵐が来る」
「えぇっ、それは嫌だ。ルーちゃん居なくなったら俺一人になっちゃう」
「だから早く帰るんです」
背中にしがみついて来る上司にまたため息が出る。でもこの人の強さは僕が一番分かってる。しがみついてくるレオールをおぶって、ルーカスは歩き出した。




