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34.大きな差となるのがその物量である-三十二機対二十二機-

全48話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 戦闘、それ自体は非常に効率的かつ効果的に行われた。こちらは一編成辺り八機、艦載機だけで四編成部隊である。もちろん相手も艦載機を上げてきた。


 ここで問題となるのが[手持ちすべての艦載機を一度に出撃させてもいいのか]という点である。


 もちろん空母群の直掩に何機かは残すとして、では他の艦載機はすべて攻撃に回して良いものか。これは諸説あり、また戦法によっても変わって来るので、これがセオリーというものは無い。だが、必然的に艦載機すべてを出してしまえば、後続の攻撃機は出せないのは引き算をしなくても当たり前の話だ。


 だから大体において二部隊から三部隊になるように出撃させるのが常だ。直掩に五、六機、一陣に十六機、二陣に十六機、三陣に十六機。標準的な空母の艦載機数が予備機を含めて五〇から七〇機と考えれば、大体これくらいの数値になる。


 ここで大きな差となるのがその物量である。一対一のドッグファイトになれば性能差が大きく出るが、それ以上に物量で押されればどんな最新鋭の装備をしていても撃墜されてしまう。それはレイドライバーという兵器にしても同じだ。どんなに無敵っぷりを発揮していても、一度囲まれてしまえば、相手が戦車クラスであればその撃破が可能になるのである。


 艦載機の話に戻ると、今回、ジャクソン大佐率いる空母群は直掩六機を残してすべて出撃させた。対して敵は十六機と直掩六機という編成である。


 三十二機対二十二機。この差が示すものは明らかであろう。もちろんこんな作戦が立てられたのもエルミダスからの増援があるという前提で話が進められたからだ。それほど戦力差があるという話なのである。


 もちろん話はそれでは終わらない。エルミダス基地があるこの地域は基本的に帝国領が広がっている。当然、その基地からも戦闘機が出撃して来た。当たり前だが、それらも相手にしないといけない。


 だが、そこで三八FI二機による多元リンクである。そしてそのリンクにあるのは三十二の余にある通常機とのリンクである。敵の戦闘機の、それぞれ一機一機の予測線を出しながらの戦闘、三八FIにはそれくらいの性能があるのである。


 何と言ってもその中身はサブプロセッサーだ、レイドライバーの操縦も、戦闘機の操縦も教えられている。そしてカレルヴォとサンドの教育。それらが相まって、初陣とはいえ戦果を挙げることが出来たのである。


 具体的な数字で言おう。


 敵艦載機は第一陣は全滅、近隣基地から出撃した敵機も半数を落とすことが出来た。そして艦隊戦も同時に行われた結果、こちらの被害はミサイル艦一隻の撃沈と二隻の中破というものだったが、相手の艦隊は空母が甲板を含めて航行不能に、ミサイル艦、フリゲート艦それぞれが三隻の中破という結果になった。


 ではこちらの戦闘機は? と言われれば十機を失ったが、それでも損害は十機で済んだのである。


「しかし、本当に凄いなこのシステムは。予測線を出しながら自機も操っているんだろ? あそこには敵が五〇機近くいたのに、そのすべてに予測線が描けるなんて、オレはつくづく同盟連合に所属していてよかったと思うよ」


 アルファワンがファイブワンに話しかける。


「流石に一機では五〇機の演算は難しいですが、今回は二機いますからね。演算も半分で済みます。それにこちらも多元リンクが五〇機分で構築出来ました。それを考えれば妥当かと」


 そう言いながらもファイブワンはレイドライバーともリンクを組んでいた。それはレイドライバーの方に敵が向かわないとも限らないからだ。レイドライバーという兵器は、基本的に陸上兵器だ。航空機に対応していない訳ではないが、餅は餅屋、空は空の住人に任せた方が何かといい。そんな意味も含めて常にリンクしていたのである。


「あとは地上部隊だが、そろそろ決着かな」


 アルファワンがそんな事を言う。それはつまるところ、第二フェーズの可能性を示唆しているのである。



 そして話は少し前に戻るのである。


全48話予定です


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