13.彼女と仲良くなれたかい?-オレも実は惚れちゃいました-
全48話予定です
ヒューマンシリーズという作品群を寄稿しています(全て完結済み)
年末のひと時、もしよければ読んで頂けるととても嬉しいです!
ヒューマン 1
https://ncode.syosetu.com/n2996hx/
ヒューマン 2
https://ncode.syosetu.com/n8320hy/
【R-18】ヒューマン 3 -時間遡行によってもたらされたものは-(これだけR-18なので作者ページに載っていません。行為等の激しい描写などは極力なくしたつもりですので、読みやすいと思います)
https://novel18.syosetu.com/n2786ia/
また、単品で成立するお話として「あゆみと瞳美」という作品を寄稿しています(完結済み)
約8万文字の、一人称で書いてある作品です。よければ読んでくださると嬉しいです!
あゆみと瞳美
https://ncode.syosetu.com/n9926jo/
▼ヒューマンシリーズ、レイドライバーシリーズともに、過去作はすべて作者ページからご覧いただけます▼
https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/2478453/
曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
――さてと、次、次。
カズはそのまま空母が入港している場所に向かう。今度はカレルヴォたちと話をする為だ。それは直ぐに見つかった。損傷した機体の傍にカレルヴォがいたからだ。
「大尉、よくやってくれた」
カズはまずそんな言葉で労う。
「いえ、今回もゼロフォーに助けられました。彼女はとても優秀な女性ですね」
素直な感想が漏れる。
「彼女と仲良くなれたかい?」
カズがそう尋ねれば、
「ええ、どうも好いてくれているようです。オレも実は惚れちゃいました」
素直な感想なのだろう。
――カレルヴォという人物は陽気で素直、とてもいい青年だ。だが、真に黒い部分を見せるにはちょっと、かなぁ……。
カズはそう考えていた。確かに既に黒い部分であるサブプロセッサーの存在は教えてある。実際、ゼロフォーの躰が既にないという事実も認知済みだ。だがそれ以上の、例えば人体実験のような部分はあえて伝えなくともいいのかな、そう考えていたのだ。
「で、だ。そんな良い仲になっているところ申し訳ないんだけど、この三五FDIに当初搭載されていた生体コンピューターに換装する事になったよ」
と伝える。カレルヴォは、
「もしかして本業に戻る、と?」
そう返してくるので、
「そう、ちょっとばかり手が足りなくなってね。悪いけどそういう訳だから」
とカズは答える。
「彼女とは、また一緒に飛べますか?」
これが素直な疑問だろう。その問いに、
「情勢次第、といったところかな。もちろんその可能性は排除していないから」
とだけ伝える。
――そうか、ゼロフォーの心に彩が付いたんだな、それは良かった。まぁ、この情勢がひと段落したらまた組ませてみようか。実際、驚異的な戦果を挙げた人物だ、周りがそれを望むだろう。
そう考えていた。カズも、何も意地悪でゼロフォーを機体から降ろす、と言っている訳ではない。彼の考えている内容、その為には優秀なサブプロセッサーが一個、どうしても必要なのだ。
「セロフォー、聞いていた?」
カズが問うと、
「はい、マスター。私もまたカル大尉と一緒に飛べることを望んでいます」
抑揚がない声でそう話すが、カズにはそれが本心だと分かるものがあった。
――ゼロフォーは世辞を言わない。それは彼女に世辞を言う、という思考がないから。
それを考えると、この言葉は本心なのだろう。
「きみにはやってもらいたい任務がある」
そう伝えると、
「分かりました、すべてはマスターの意のままに」
一切の異論や疑問は挟まない。それだけ自我のあるサブプロセッサーへの[調律]は絶対的なのだ。
「まぁ、どの道この機体は修理が必要だ。もしかしたら廃棄扱いになるかもしれない。何と言っても胴体着陸した機体だからね。その場合でも新しい機体の手配はするから安心して」
とカレルヴォに対して話す。その言葉に[分かりました]と答えたのを聞いてから、
「じゃあ、早速で悪いけどこの機体から降りてくれるかな」
そう言って整備クルーを呼ぶ。研究所付きの整備クルーが乗船していたのは前述のとおりである。そして、研究所の整備クルーはレイドライバーの他に、三五FDI、三八FI等それらの航空機の整備も出来るのである。いや、出来る人材に育て上げたというべきか。研究所の看護師がそこら辺の医師よりも知識も、技量も勝っているのと同様、整備クルーもまた優秀な人材が確保されているのである。
全48話予定です