36 魔王化のリヴォール
無機質な空気が、重たく息を呑んで俺を包み込む。
足元に広がる荒れ果てた大地から、じわじわと熱気が立ち上る。
その先に、闇と炎の大陸が広がっていた。
霧が濃く漂い、どこまでも見通せない不安な闇が広がる中、ただ一つ、赤く燃える炎の祭壇が視界に飛び込む。
その先に、待っているのは間違いなくリヴォール――かつて、無敵を誇った魔王。
その名は、すでに伝説となり、恐れられてきた。
だが、今、俺はその相手に挑まなければならない。
どこまでも冷徹で、深淵の闇のように広がるその力を――。
足を踏み入れた瞬間、周囲の空気が一変した。
まるで、この祭壇の中に何もかもが吸い込まれたかのように、周囲は異様な静寂に包まれる。
地面に立ち込める熱さが体を震わせ、視界の先に、ようやく姿を現したのは、その影を隠しきれない恐ろしい存在――リヴォールだった。
闇を纏ったその姿は、まさに魔王の象徴。
背丈は何メートルあるのか、見上げるだけで圧倒される。
黒い鎧に身を包み、鋭く尖った角のような頭部が、炎を纏いながら静かに蠢く。
その眼は、無慈悲に俺を睨みつける。
まるで、この世界のすべてを支配するかのような圧倒的な威圧感が、肌に刺さるように感じる。
そして、リヴォールの声が重低音で響いた。
「よく来たな。だが、ここでお前は終わりだ。」
その言葉と同時に、彼の手のひらからは闇と炎が交じり合う魔力が現れる。
周囲の空気が震え、熱気と冷気が入り混じる。
俺はその場で一瞬立ち止まったが、すぐに霊刃を引き抜く。
その黒炎が刃先に集まり、漆黒の力が広がる。
「俺はここで終わらない」
俺は低く呟いた。
霊刃を握り直し、無駄な躊躇いはない。
すべての感情を殺し、ただ進むのみだ。
修羅が進むべき道は、ただ一つ。
倒すべき相手がいる。そのために――。
リヴォールは、ゆっくりと杖を振り上げ、その力を放った。
瞬間、周囲が一変する。
闇の力が一気に広がり、炎と氷が混じり合う不気味な光景が広がった。
空が裂けるような轟音が響き、地面が揺れ、空気が引き裂かれるような感覚が走る。
俺はその衝撃を受け止め、すぐさまその魔力を払おうと霊刃を振り上げる。
だが、リヴォールの力がその刃を受け止め、反発が生まれる。
黒炎がすぐに消え、さらに彼の魔力に呑み込まれそうになる。
「その程度か? 修羅。」
リヴォールの声は冷ややかで、俺を見下ろすように響く。
その言葉の通り、俺は一瞬、足を止められる。
だが、その時、心の中で何かが弾ける。
空を飛び、俺は反撃に出る。
魔力を全身に集め、素早く空中に上がる。
周囲の空気が流れ、リヴォールの攻撃が迫ってくる。
しかし、今、俺に迷いはない。
炎と闇の力に包まれながらも、俺は前進する。




